原油との相関戻る中、政治的不透明さを嫌気するか?
11月の中間選挙の前哨戦と位置づけられていた米ペンシルベニア州の下院補欠選挙が13日投開票され、民主党のコナー・ラム候補が勝利を宣言した。ただし、極めて僅差のため再集計が行われる可能性があるとも報じられている。同選挙区は共和党の地盤であったが、15年ぶりに民主党が議席を奪還するのか否か、双方が譲れなく、混乱が長引く可能性もあろう。
この下院補欠選を強く意識して、鉄鋼とアルミニウムの輸入に高関税を課すという強硬策を打ち出した可能性も指摘されており、仮に敗北決定ならトランプ政権にとっては大きな痛手だ。
トランプ米大統領の経済顧問トップであるコーン米国家経済会議(NEC)委員長辞任に続き、ティ ラーソン国務長官も解任され、政治的混迷が深まる中、穏健派のティラーソン後任には、超強硬派の米中央情報局(CIA)のポンペオ長官の名前が挙がっている。
ポンペオ氏の国務長官就任には議会上院による承認が必要で、公聴会は4月に開かれる予定。5月までにと言われる米朝首脳会談だが、スケジュールはかなりタイト。さらに、ポンペオ氏は、イラン核合意を強く批判しており、北朝鮮に関しても、金正恩朝鮮労働党委員長排除(暗殺)の可能性に言及するなど強い姿勢で臨んできた人物で、対話ムードが一変する可能性も出てくる。
内政の不備を外交にすり替える手法は、政治の世界ではよくつかわれる手法だが、米保護貿易主義の高まりに伴う報復合戦や、地政学リスクの高まりに結びつくなら、現在の三角保合いは上放れよりも、下放れリスクの方が高いか?18日にはロシア大統領選挙、19日にはパラリンピック、20日には全人代が閉幕し、20-21日のFOMCでは追加利上げが予想されている。重要イベントが相次ぐ中、一旦、落ち着きを見せたボラティリティが再び高まる可能性には注意したい。