◆好調な雇用統計を受けて反発スタートも、小動きの傾向に変化はなさそう
週末(4日)の米国株式市場は、予想を上回った雇用統計が支えになって、NYダウ、ナスダック指数ともに上昇しました。NYダウは9日続伸を達成し、22000ドルの大台乗せからさらに水準を切り上げました。
また、為替市場ではドルの買戻しが進み、対円では1ドル=111円台のドル高、円安になる場面もありました。
NYダウの高値更新とドル高、円安を織り込んだシカゴ日経先物は+75円の20025円でしたから、週明けの日経平均は2万円台回復からスタートしそうです。
しかし、2万円台に乗せると押し返される展開が続いていますから、反発でスタートしても日経平均の小動きは続きそうです。
一方、来週は1300社以上の決算発表を控えているので、決算銘柄を中心に個別株は動きが出るでしょうから、先週と同じ展開が続くのだと思われます。
ただし、来週は週末に3連休を控えており、本格的なお盆休みに入ります。そして、日足チャートの25日線と75日線がお盆休みに向けて接近するため、次の動きに備えるタイミングになるかもしれません。
日足チャートの25日線と75日線の角度を延長すると今週末にかけてデッドクロスしそうなのですが、横ばいのままだと、下がってデッドクロスするのとは意味が違ってきます。
株価が横ばいで移動平均線が同水準になるのは、『移動平均線収斂』のパターンです。移動平均線収斂は保ち合いで煮詰まっている状態を示し、収斂してからどちらに動くかがポイントで『移動平均線収斂離れ』の前段階といえます。
つまり、お盆休みにかけて移動平均線が収斂していくため、その後の収斂離れを注目するタイミングが来ていると考えられます。
上に動けば4月17日安値18224円を基点にした『上昇⇒横ばい⇒上昇』の2段上げパターン、下に動けば『上昇⇒横ばい⇒下落』の調整パターンで、今年3月22日から4月17日にかけた調整と同じような展開が想定されます。
収斂離れの目安は『200円以上の動き』ではないかと考えています。日経平均は6月初旬から前日比で200円以上の上下がないためです。
どちらになるかはわかりませんから、移動平均線が収斂するような保ち合いになったら、次の動きを待つのが賢明だと思われます。