◆規模別小型株指数は昨年来高値を更新している
24日の日経平均は、海外株安と1ドル=110円台の円高が嫌気されて続落となり、2万円の大台を割り込みました。
日経平均は25日線を下回るとともに5日線も下向きですから、日経平均のチャートからは調整ムードが漂っています。
しかしながら、東証1部の騰落銘柄数は値上がりが上回っており、規模別株価指数の小型株は続伸して昨年来高値を更新しています。
日経平均が続落してもあまり悲壮感を感じないのは、規模別小型株指数の堅調な動きが示している気がします。
株式市場全体としては底堅さも見られていますが、日経平均を個別銘柄と考えた場合には、25日線割れと5日線下向きの弱気形状に変化しているので続落の想定です。
一方、年初来高値を更新した規模別小型株指数は、日経平均が高値をつけた2015年夏の水準を大きく上回って水準を切り上げています。
参考までに、東証が発表している規模別株価指数は時価総額ベースの指数で、大型株指数が時価総額上位100銘柄、中型株指数が時価総額上位100位から500位、500位未満が小型株指数に採用されます。
銘柄数は小型株指数がダントツに多いのですが、大型と中型で東証1部の8割から9割の時価総額を占めているため、小型株が上がっても日経平均やTOPIXへの影響は大きくありません。
このため、小型株指数がいくら高値を更新しても、日経平均やTOPIXが高値を更新するほどの影響力はないのですが、反対に銘柄数は大型、中型の2倍以上なので、株式市場の値上がり銘柄数は多くなりやすい傾向があります。
日経平均、TOPIX、小型株指数で株価指数の傾向がかなり違っているため、先行きの見通しや投資判断が難しくなっていると思います。
さらに8月の夏休みシーズンに入ってくると、夏枯れ相場といわれる時期に重なります。決算を受けた個別物色が中心になってくるとは思いますが、決算一巡すれば小型株の手がかりも少なくなります。
小型株優位が続きそうではありますが、時期的に小型株物色も短期売買が中心の展開になりそうです。