◆出遅れ株に短期資金が向かう傾向が見られている
20日の日経平均は、米国株高や円安を手がかりに3日続伸し、年初来高値を更新しました。
日経平均の年初来高値更新で先高期待が高まりそうなのですが、3日続伸で5日線や25日線から上方にかい離していることや、ローソク足が上ヒゲで伸び悩みを示しているので上値が重くなる想定です。
また、日経平均の高値更新の原動力になったのが米国株高や円安と考えられるので、4日続伸するのであれば、1ドル=112円を突破するような円安が必要ではないかと思われます。
振り返ると、6月2日に2万円台を突破したときの上昇も、米国株高に連動した景気敏感株の上昇が牽引しています。
今日も輸出関連株や金融株の上昇が指数を押し上げた印象ですから、円安のサポートがなければ、日経平均は上昇一服の想定です。
一方、日経平均の年初来高値更新で、出遅れ株に物色が向かいやすくなりそうです。今日の東証1部の値上がりトップは田淵電機でしたが、業績が低迷していたため、昨日に年初来安値を更新していた銘柄でした。
このほか、ホクシンなどの低位株も動意付いていたのですが、共通しているのは年初来安値圏の出遅れと低位の中小型株でした。
個人投資家を中心にした中小型株物色は、好業績株、新興市場のテーマ株が中心でしたが、幅広く物色されて割高感も目立ってきた印象です。
日経平均が年初来高値を更新したことによって、東証一部の出遅れ株に短期資金が向かいやすくなったのではないかと思われます。
大まかに中小型株物色といわれますが、物色の中身は変化しているので、日経平均の高値更新で出遅れ株に物色が向かいやすくなるかもしれません。
少し気が早いですが、7月下旬から決算発表シーズンに入るので、幕間つなぎ的な出遅れ株物色から決算相場へ徐々に移行するのではないかと思われます。