◆ファンダメンタル面の2つの大きな変化とは?
9日(火)の日経平均は、1ドル=113円台の円安や米国株高が好感材料ではあったものの、短期的な過熱感が上回って4日ぶりの小幅反落でした。
今日のローソク足は前日の陽線にはらむ小陰線で、「陽陰のはらみ足」と呼ばれる組み合わせです。高値圏で出現すると上昇が止まって反落しやすいとされるパターンですから、明日は続落の可能性も考えられます。
しかしながら、ファンダメンタル面が劇的に変化しているため、今日の上昇一服から反発して2万円台にトライする想定です。
ファンダメンタルの大きな変化として考えられるのが、日経平均の1株あたり利益(EPS)の増加とドル相場の傾向の変化です。
まず、日経平均EPSの変化から考えます。
日経平均は4月17日の安値18224円から前日の終値19895円まで+9.1%の上昇になっています。
一方、4月17日のEPSは1191.90円でしたから、昨日の1272.10円までの増加率を計算すると+6.7%です。
日経平均は約1700円も大幅に上昇しているのですが、EPSが大幅に増加しているために、PERはほとんど変わっていません。
昨日のEPSは今年の最高水準で決算発表を通過するごとに増加していますから、今日の決算結果を織り込んで増加するようだと、日経平均の大きな下支えになると考えられます。
次にドル円相場です。昨日から本日にかけて1ドル=113円台中盤を回復したのですが、年初の1ドル=118円台と3月中旬の1ドル=115円台を結んだ右肩下がりのトレンドラインを突破しています。
ドル円相場は、高値と安値を結んだ並行ライン(チャネルライン)に沿った円高傾向が続いていたのですが、5ヶ月ぶりのトレンドライン突破は大きな変化だと考えられます。
2つの大きな変化が背景にあるため、短期的な過熱感があっても大きく下がる理由もない状況と考えられます。
トレンドラインを突破したドル円相場の次の節目は1ドル=115円程度が想定されるため、一段の円安が日経平均の押し上げ材料になり、2万円台達成の手がかりになるのではないかと考えられます。