◆日経平均はプラスでも、値下がり銘柄数は1100銘柄を超えている
5日(水)の日経平均は、米国株安、円高一服で小幅反発でした。
もっとも、東証1部の騰落銘柄数は値下がりが1100銘柄を超えたことや、TOPIXがマイナスになる場面もあったので、相場の中身は下げ渋った程度の印象です。
日経平均はなんとかプラスを保ったものの、下向き5日線に上値を抑えられ、5日連続の陰線で下方向への動きが続いています。
特に最近は後場に急落する展開が多く、今日も前場の安値をブレイクダウンしてから一時的に下げが加速しましたから、投資家が下値不安を抱えている状況だと思われます。
明日も神経質な展開が想定されるため、米国株安や円高が進んでしまうと過剰に反応しやすくなる可能性があります。
ただし、前日の急落で売買代金が大幅に増加したこと、新興市場で投げ売りが加速したこと、東証の空売り比率が今年最高になったことなど、売られ過ぎの動きがレンジの下限で起きてから今日の相場が続落しなかったので、明日は買い戻しで上昇する想定です。
一方、今日の騰落レシオ(25日平均)は88.41%まで低下しました。今年の最低水準である2月9日の87.97%に迫る水準です。
一般的に騰落レシオは70%割れが株式市場の大底圏とされますが、昨年の夏以降は80%台で底入れした傾向があります。
どうしてかを考えますと、日経平均は昨年8月に25日線と75日線がゴールデンクロスを達成してから上昇トレンドを保ったためだと考えられます。
したがって、昨年末からの18650円から19600円程度の往来を保てるのであれば、そろそろ反転してもおかしくないと考えられるのですが、現在は25日線と75日線がデッドクロスする目前です。
昨年の夏以降の上昇トレンドの傾向に変化が見られているため、上昇トレンドが崩れてしまうと、これまでの騰落レシオの傾向は使えないと考えられます。
ただし、騰落レシオは下がり始めると一気に低下しますし、大底圏の数字はかなり信頼度が高い傾向があります。
一般的な株式市場の大底圏は投資家が総弱気になって起きることですから、日経平均が往来レンジを保てずに割り込んで下げが加速してしまったときには、騰落レシオの数字が底打ち反転のシグナルに活用できそうです。