◆目先は調整ムードだが、中期的な上昇トレンドは崩れていない
週末(3日)の米国株式市場は大幅上昇になり、NYダウは2万ドルの大台を回復しました。
注目された1月の雇用統計は非農業部門雇用者数が+22.7万人となり、事前予想の17.5万人程度を大きく上回る結果でした。ただし、時間あたりの平均賃金の伸びが小幅に留まったために早期利上げ観測につながらず、株式市場が上昇するのにちょうど良い結果でした。
一方、為替市場は利上げ期待の後退がドル売り材料になりました。インフレ指標の平均賃金が重視されたようです。
NYダウは2万ドル回復したものの、ドル円相場は1ドル=112.60円程度の円高ムードで、シカゴ日経先物は19050円と小幅な上昇に留まりました。
週明けはシカゴ日経先物にサヤ寄せしてスタートしそうですが、先週末の5日線が19078円、25日線が19173円なので、2つの移動平均線が上値を押さえそうです。
したがって、移動平均線に戻る程度の自律反発の想定です。
一方、来週は、週末に日米首脳会談を控えています。トランプ発言で円高が進む不信感があると思われるため、為替に神経質な反応になりそうです。
ただし、為替は中期的な円安トレンドを保っていますし、米国株は堅調、日経平均も中期的には上昇トレンド型ですから、日経平均の下値は18500円程度なのだと思われます。
下がるというよりは、しばらく円高が重しで上がりにくい展開が続く日柄調整の想定です。
目先は調整ムードになりそうですが、日経平均の週足チャートからは、昨年6月の安値を基点にした右肩上がりのトレンドラインが想定できます。
トレンドラインを元に考えると、3月中旬くらいまでにトレンドラインに届きますから、来週で決算が一巡し、2月末から3月中旬にかけて手がかりが少なくなって上がりにくくなると、チャート上の調整期間と一致します。
そして4月の新年度に向かって再上昇すると、トレンドラインに沿って2万円台を奪回する可能性が見えてくるかもしれません。4月から5月にかけて株式市場が上昇することは多く見られますし、チャートが物語っている気がします。