為替マーケットは悲観的
今夜は日本時間深夜1時から、次期大統領候補のトランプ氏の会見があります。
保護主義的な発言をしたら円高、ドル高発言をすれば円高、とマーケットはトランプ砲を恐れています。なんだか大統領選挙前の状況に似ていると思いませんか?
そして、マーケットはショートに傾いており、欧州時間にショートカバーを誘発する流れとなりました。
ここ数日間のマーケットは、短期勢がストップを狩りに動くような動きが目立ちます。30~50銭ほど一方的に動き、損切りが付けば彼らが利食うために元に戻る、そんな値動きが続いています。
出来高も薄く、市場参加者も少ないような雰囲気が見て取れます。
115円前半では短期勢が攻めているようですが、トランプ氏の会見までは115-118円のレンジと見た投資家の買いや実需、ショートの買戻しなどが優勢となりサポートされています。
まだまだ売りポジションが優勢となっているようですので、もしトランプ会見でポジティブな内容が出てくれば、簡単に117円に上昇するのではないでしょうか。
♠トランプ氏は何を話すのか
さて、これまでのトランプ氏の発言やTwitterをみていると、米国の雇用を最優先にしていることが分かります。
やはり、移民により職を奪われた、所得が減少した白人の低・中間層がトランプ氏を支持していますので、彼らの要望に応えるような方向性に進んでいくことは自然な流れでしょう。
加えて、個人的にはトランプ氏が力を入れている大規模減税や公共投資について以前よりも具体的に触れるのではないかと考えています。
もしそうなれば、財政出動とインフレ率の上昇への思惑から長期金利は上昇しドル円が跳ね上がりそうです。
ただ、やはり保護貿易を示唆する発言もすると思われますので、ドル円がどう動くかは話の順番の問題が大きく関係している気がします。ざっとイメージすると、115.50-117円前半での乱高下を想定。
結局、一番取引しやすいのは米国株で、NYダウは上がり易いのではないでしょうか。
米国の次期大統領の会見ですから、ネガティブな内容が出ることは考えづらく、中国の非難も控えるはず。そう考えると、米国市場リスクオンの展開が一番自然に思えます。
ただ、注意しておきたいのが記者からの質問。
例えトランプ氏がドル高けん制発言を行わなくても、記者からの為替に関する質問が出るのは必須でしょう。
「Forex」と発言した瞬間に、アルゴリズムがドル売りを行ってくるのではないかというリスクも考えておきたいところです。
為替市場は、けして一方向に動くことのない夜となりそうです。