ドル/円、120円台までの「無抵抗地帯」に突入か?
ドル/円の“空中浮遊相場”が続きそう?
本日、米FOMC会合が終了し、事前予想通り0.25%の利上げが決定されました。
同会合でのサプライズとなり得たのは、来年の利上げペース(回数)。0.25%の利上げ予想回数が、従来(9月時点)の2回から3回へと上方修正されたことが「想定外」と受け止められ、ドル/円は今年2月4日以来の高値となる117円台後半まで上昇しています。(15日午前10時時点)
ドル/円相場の動きを、週足チャート+フィボナッチリトレースメントで見てみると、昨年6月時高値(125.86円、下図A)と今年6月時安値(98.76円、下図B)を結んだ、フィボナッチ61.8%ライン(115.51円、下図C)を明確に上抜けしていることが分かります。
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同ラインを上抜けした場合は、さしたる抵抗帯となるメルクマールは見当たらず、いわば“真空地帯”へ突入したような形とも言えます。
あえて次なるメドを設定するならば、今年1月時に付けた高値である121.66円(上図D)。市場参加者の心理的メドを勘案してみると、その手前である「120円」と捉えた方がいいのかもしれません。
年内のドル/円相場は、当該目標ラインに向けた“空中浮遊相場”が継続しそうです。
次の注目は・・・“真の”トランプ・ショック?
そんな中、個人的に注目しているイベントが・・・12/19の米大統領選挙・選挙人投票。
この期に及んで「何をいまさら?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
先の米大統領選挙(11/8)はあくまで「選挙人」を選ぶ選挙であって、19日の選挙人投票の結果を受けて、晴れて正式決定となります。(最終的な当選者の認証は、1/6の米連邦議会合同会議で決まります。)
通常時では、あくまで形式的な位置付けである選挙人投票であるものの、一般投票ではクリントン氏の方が得票多数であったこともあり、仮に37人の『不誠実な選挙人』、つまり造反者が出れば、先の結果が覆る可能性も。
とはいえ、この『不誠実な選挙人』は1948年以降9人生まれたという事実があるものの、かつて結果が覆るような事例は一度もないことに加え、過去70年弱の歴史において9人“しか”でなかった『不誠実な選挙人』が、一度に37人出る可能性はかなり低いと言わざるを得ません。
ただし、全米各地(特にクリントン支持者の多いカリフォルニア州やNY等の大都市圏)で「反トランプ」デモが依然熱気を帯びていることに嫌気を差すような、また主要ポストの人事等を見るにつけ、「本当にトランプ氏に国政を任せていいのか」と遅疑逡巡とする選挙人がいたとしても、それは不思議ではありません。
仮に『謀反』とも言えるような行動に出た場合は、世界の政治・経済は灰神楽が立ったような状態となるのは必至です。
その発生確率は必ずしも高くはないものの、“ブラックスワンイベント”として頭の片隅に入れておく方がいいのかもしれません。
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