昨年も噂で買われ、結果でも買われた
しかし、考えてみると利上げの織り込み度は100%です。これは、もはや『利上げは行われるもの』と、ほぼ全ての投資家が考えているこということではないでしょうか。そうなると、どこかでもう利益確定の売りが行われていると考えられます。つまり、今は『噂で買って、事実で売られている』状態。ドル円のチャートからポジション調整の動きを読み取ると、116円まで上昇したあとに114円台後半まで下落した際に、すでに行われているのではないかと感じております。
つまり、FOMCの焦点は利上げではなく『※ドット・チャート』とイエレン議長の発言。
※FOMCメンバー一人一人の将来的な金利予想を示した表。
現状、2017年の利上げは2回を予想されていることから、3回以上が見込まれるとドル高になる可能性が高いと言えます。
しかし、トランプ大統領が誕生し将来的に不透明さが漂っている状況。なおかつ、ここ最近の米国債券利回りの上昇が、既に利上げを行ったことと同じ効果があるのではと考えると、3回となる可能性は低いのではないでしょうか。
仮に3回となったとしても、115円半ばから116円に掛けては買いポジションが多く残存しており、やれやれ売りに押されることとなりそうです。
イエレン議長もこれまで通り慎重な姿勢をみせ、今後の経済指標次第というお決まりのフレーズが飛び出すのではないでしょうか。
ここで、マーケットの需給を確認すると、やはり115円割れには買い遅れの需給と思われる買いが入っている様で、昨日も欧州時間に断続的に買われることとなりました。
114円には年金をはじめ様々な買いが入っているようで、114.50円割れは勝手も良い水準ではないでしょうか。
昨年のFOMCを振り返ってみると、利上げはほぼ確実に行われるからと言われながら、9年半ぶりの利上げということで結局米ドルが買われ、金利が正常化されるということを好感してか、NYダウも上昇しました。
基本的に、米国は利上げサイクルの3回目までは株価は耐えられると言います。
NYダウが2万円の大台を前に、FOMCの発表までは流石に利食いが入ることが想定されますが、大きく株売り・米ドル売りになる可能性は低いのではないでしょうか。