海外投資家の買いで続伸、戻り売り懸念が少ない価格帯

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最新投稿日時:2016/12/08 19:35 - 「海外投資家の買いで続伸、戻り売り懸念が少ない価格帯」(冨田康夫)

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海外投資家の買いで続伸、戻り売り懸念が少ない価格帯

著者:冨田康夫
投稿:2016/12/08 19:35

明日の東京株式市場見通し

 9日の東京株式市場は、週末控えで利益確定の売りが想定されるものの、海外投資家からの主力銘柄への買いが継続することが予想されるため、日経平均株価は4日続伸となりそうだ。きょうの日経平均株価が高値引けで、心理的フシ目とされた1万8500円水準を大幅に上回ってきたことで、上放れの形となった。ここから1万9000円までの価格帯は、累積売買代金の少ないレンジで、戻り売り懸念が少ないこともポイントだ。

 市場関係者からは「東証が8日引け後に発表した11月第5週(11月28日~12月2日)の投資部門別株式売買動向で、海外投資家は4148億円と買い越し、4週連続となった。今週も外国人からの日本株への見直し買いに拍車が掛かっているのではないか」との見方が出ていた。

 8日の東京株式市場は終始買い優勢の展開。日経平均株価は、一時伸び悩む場面もあったが、後場終盤に上げ足を速め、高値引けで年初来高値更新となった。日経平均株価終値は、前日比268円78銭高の1万8765円47銭と3日続伸した。東証1部の売買代金は3兆3930億円と膨らんだ。

8日の動意株

 東京電力ホールディングス<9501>=ストップ高。
8日付の日本経済新聞などが「政府は交付国債による東京電力ホールディングス向けの無利子融資枠をいまの9兆円から14兆円程度に引き上げる方針を固めた」と報じられ、政府主導で同社の財務面での余力が増すことを材料視する短期資金の買いが向かっている。市場では「日証金で売りが積みあがり足もと株不足状態にあり、需給面でも踏み上げ素地が意識されている」(国内ネット証券大手)という。

 チェンジ<3962>=後場急伸。
同社はきょう、企業の生産性革新を目的とした「自動運転技術などのロボティクス・インテグレーションサービス」の提供を開始すると発表。これが材料視されているようだ。提供するのは、自律移動ロボットテクノロジー、コミュニケーションロボットテクノロジー、搬送用ロボットテクノロジーなどのロボティクス技術のコンセプトデザインから実際の導入までの一連のプロセスを統合的に支援するサービス。

 土屋ホールディングス<1840>=急伸し、年初来高値更新。
7日の取引終了後に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入っている。上限を60万株(発行済み株数の2.35%)、または1億円としており、取得期間は12月8日から来年5月31日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とし、資本効率を向上させ株主還元に資するためとしている。また、同時に発表した17年10月期連結業績予想で、売上高250億100万円(前期比0.4%増)、営業利益2億8000万円(同89.3%増)、純利益1億3000万円(同4.2倍)と大幅増益を見込み、期末一括配当を前期比1円増の5円とすることも好感された。

 オルトプラス<3672>=ストップ高。
同社は7日の取引終了後、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(東京都港区)子会社のフォワードワークスとスマートフォン向け新規タイトルで協業すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っている。オルトプラスのスマートフォンゲームにおける企画・開発・運営のノウハウと、フォワードワークスが扱うソニー・インタラクティブエンタテインメントの「プレイステーション」専用ソフトウエアを中心とした豊富で良質なコンテンツを組み合わせることで、本格的なゲームタイトルをスマートデバイスで実現するのが狙い。

 日本一ソフトウェア<3851>=ストップ高で、年初来高値更新。
同社は7日の取引終了後、ソニー<6758>傘下のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が出資し設立したフォワードワークスとの協業により、スマートフォン向けアプリを制作すると発表、これを好感した。今回の協業では「魔界戦記ディスガイア」と「夜廻」を、スマートフォン向けアプリとして制作する予定で、家庭用ゲームソフトウエアにおいて新規IP(知的財産)の創出に注力するとともに、生み出したコンテンツを他のエンターテインメント分野に広げていく。

 日東製網<3524>=急伸し、年初来高値更新。
7日の取引終了後に発表した第2四半期累計(5~10月)連結決算で、売上高91億4800万円(前年同期比15.7%増)、営業利益7億2700万円(同80.8%増)、純利益3億4400万円(同2.3倍)と大幅増収増益で着地したことが好感されている。北海道地区などの定置網部門や陸上用ネットの施工工事の受注が順調に推移したことに加えて、付加価値の高い定置網の売上高が増加したことや生産効率の向上に継続的に取り組んでいることが奏功し利益を押し上げた。また、営業外で持ち分法による投資利益を計上したことも、最終大幅増益に貢献したという。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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