今年と去年とでは反応が異なる?

今回、いち早くECBはイタリア国民投票で波乱が起こった場合に備え、イタリア国債の買い支えを表明していましたし、さらには、今回の会合でテーパリングに関する話し合い(国債買入の延長も話し合われるが、未来永劫続けるものではない)も行われるのでは?との観測が広がっていたことで、さらなるユーロ安につながらなかったということなのでしょう。
とは言え、この問題、いずれ再燃することは頭の片隅にとどめておきたいところです。
そして、来週2016年最後のイベントFOMCに視線が移っていきます。覚えていらっしゃるでしょうか?昨年は利上げ後、年をまたいで株式・為替ともにリスクオフの動きになったことを。今回も同様の展開になるのでしょうか?私はそう思いません。
と言うのも、市場の「利上げ」に対するイメージが大きく異なっているように感じられるからです。昨年の場合、利上げ(その後の利上げが段階的に行われる)→経済成長鈍化と受け止められていましたが、今年の場合、利上げ→経済の正常化と市場は捉えており、株式・ドルにとってフェーバーな動きになると考えています。
仮にそうなった場合、このところ頭が押さえられているドル/円の114.80円を上抜けることが出来るのか否かがポイントとなりそうですし、長期的な観点から今月末の終値が20ヶ月移動平均線の上にあるのか、下にあるのかが年内の大きなポイントになるでしょう。
そして、その賞味期限はトランプ大統領の就任演説(2017年1月20日)まで。
一般的に大統領就任後100日間は「ハネムーン期間」と呼ばれていますが、今回に関しては、トランプ次期大統領が何も言わず、「期待」が高まっている今の時期こそがそのハネムーン期間になっているのではないかと考える次第です。