市場は「トランプ銘柄探し」に躍起。

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最新投稿日時:2016/11/11 18:38 - 「市場は「トランプ銘柄探し」に躍起。」(小野山功)

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市場は「トランプ銘柄探し」に躍起。

著者:小野山功
投稿:2016/11/11 18:38

~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~

★今週は「今年2番目の下落幅」と「今年最大の上昇を記録」

またしても番狂わせが起こってしまいました。8日の米大統領選では大方の予想を覆し、トランプ氏が勝利を収めたのは周知のとおりです。

株式市場の番狂わせが起こったのは、今年2度目になります。6月24日にイギリスのEU離脱(ブレグジット)が決定した際、日経平均は1286円安と16年ぶりの下げ幅を記録しましたが、今回はブレグジット直後に次ぐ、今年2番目の下落幅となりました。

ただ、どうでしょう。トランプ勝利から一夜明けた9日の米国株は上昇したのです。翌日は慌てた投資家の買戻しが入り、日経平均は1092円高と今年最大の上昇を記録する急展開です。

■流れが変わった「勝利演説」

トランプ氏は「メキシコとの国境に壁を造る」、「イスラム教徒は入国禁止にすべき」など、過激な言動を繰り返す人物ですから、何をしでかすかわかりません。当然、トランプ氏は勝利した際は、株が売られるとみられていました。

選挙の開票作業が進み、トランプ勝利に傾いたのは、日本時間9日の正午ごろでした。日経平均先物は1000円超も下落。アメリカのダウ先物も500ドル安と急落していたため、この時点では9日の米国株は下落するはずでした。

ただ、現地時間の午前3時から始まった「勝利演説」で流れが変わります。「今こそ分断の傷を修復し、ともに結束していくときだ」「良好な関係を築きたいという国とは、うまく付き合っていく。」など、発言がきわめて“まとも”だったのです。

トランプ氏の政治手法は未知数ですが、議会も共和党が勝利し、議会のねじれが解消されたことで、政策運営のスピードが早まる可能性が出てきています。

案外うまくやってくれるのでは?そうした期待も込めて、米国株(ダウ30種平均)は10日に史上最高値を更新するに至りました。

■太平洋セメントも三菱UFJも「トランプ銘柄」

市場はトランプ銘柄探しに躍起になっています。具体的な経済政策が打ち出されるのはこれからですが、インフラ修復を大がかりにやっていくことは、勝利演説でも盛り込まれたため、関連株が賑わっています。

塩ビ樹脂の世界首位(4063)信越化学工業が10日に年初来高値を更新。北米に製造拠点を持つ(5233)太平洋セメントは2日で21%高と急騰しました。

また、共和党政権のほうが、ウォール街への風当たりは強くないとの見方もあります。米金融大手モルガン・スタンレーに出資する(8306)三菱UFJフィナンシャル・グループが、1月以来となる600円台を回復しました。

トランプ次期大統領は、就任初日にTPPからの撤退を表明することを公約としています。また、関税引き上げなど、保護主義的な政策が打ち出されるリスクが高まっています。

ひとまず市場はトランプ勝利を好感する動きになっていますが、まだ油断は禁物。来年1月20日の就任に向けて、次のショックに身構える必要があります。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想

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