◆週足チャートの52週線を10ヶ月ぶりに抜けてきた
20日(木)の日経平均は大幅上昇で5日続伸を達成しました。原油価格が約1年3ヶ月ぶりの高値水準を回復するなどの手がかりはありましたが、予想外の大幅上昇だったのではないかと思われます。
右肩上がりのトレンドラインと17000円を上値ラインにした強気型の三角保ち合い想定でしたが、上に抜けるのであれば円安が手がかりだと考えていましたから、少し早めに動いた印象です。
売買代金の絶対数は少ないものの、10月に入ってから初の2兆円超えですので、商い増加で三角保ち合いを上抜ける動きになったと考えられます。
一方、20日の上昇で日経平均は週足チャートの52週線を抜けました。52週線は約1年の平均で、昨年12月中旬に52週線を割り込んで以来ですので、およそ10ヶ月ぶりにトレンドが変わってきたと考えられます。
週足チャートは13週線(約3ヶ月)と26週線(約半年)のゴールデンクロスを9月下旬に達成していますから、3本の移動平均線すべてを株価が上回る上昇トレンド型にようやくなってきたといえそうです。
ただし、円安傾向といってもまだ103円台の円高水準であり、企業業績の減益が警戒されていることを考えると、日経平均が一本調子で上がりそうなイメージはありません。
しかし、ウォール街の有名な相場格言に「相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えてゆく」というものがあります。
もしかすると、3ヶ月続いた下がりそうで下がらなかった相場展開は、懐疑の中で育つ段階だったのかもしれません。
そうなると、次は「楽観の中で成熟する」段階かもしれず、日経平均の高値抜けで強気に傾いた専門家や投資家も増えたと思いますから、年末にかけて意外高が続く可能性も考えられます。
投資は安く買うことですが、相場(トレード)は流れに乗ることだと思っていますので、トレード派の方には、良い相場環境になってきたのではないかと思います。
ただし、いずれは「幸福感の中で消えてゆく=トレンドが転換する」ので、流れに乗るつもりで買い、流れが変わったのに損切りしないで長期で放置するような、投資(長期保有)とトレード(短期売買)の判断を一緒にしないことが重要になりそうです。