◆方向感のない日経平均以外の指標も相場のヒントにしてみよう
29日の日経平均は、約8年ぶりのOPEC減産合意を受けた原油高や海外株高を好感して大幅反発でした。ただし、売買代金は連日の2兆円割れで盛り上がりにかけました。
日々の材料に一喜一憂して動いていますが、日経平均は上値が25日線、下値が75日線の短期的な往来が続いて方向感が見られません。
30日に続伸すれば25日線を上に抜けて方向感が出そうではありますが、OPEC減産、円安、海外株高と好感材料がそろっても売買代金が低調だったので、往来相場が続くとみて反動安の想定です。
一方、日経平均が7月中旬から16000円台中盤の水準で往来が続いている中、騰落レシオは2回の山谷をつけています。
▼東証1部 騰落レシオの推移
●谷
6月24日 83.49% 日経平均14952円
7月 8日 82.38% 日経平均15106円
●山(約1ヶ月後)
7月22日 131.50% 日経平均16627円
●谷(約1ヶ月後)
8月26日 78.95% 日経平均16360円
●現在(約1ヶ月後)
9月29日 121.77% 日経平均16693円
日経平均はどちらに動くかわからないけれども、ウォッチしている個別株は意外としっかりしていると感じた方がいたかもしれません。
騰落レシオが山へ向かっていたので、値上がり銘柄は比較的多い傾向が続いていたといえます。
通常の相場であれば、株式市場全体の状況と日経平均の動きが連動することが多いのですが、日銀のETF買い入れなどの影響もあって、日経平均が株式市場全体の指標としてあまり使えなくなっているように感じています。
日経平均に明確なトレンドが出れば株式市場全体のトレンドも合ってくるはずですが、今の相場で個別株を売買するヒントにするのであれば、日経平均以外の指標に目を向けてみてもよさそうです。
ただし、8月に騰落レシオが谷をつけたときのように、日経平均はあまり下がらないけれども、利益確定売りで調整する銘柄が増えてくる可能性には注意したいところです。
なぜなら、今年の騰落レシオはだいたい1ヶ月から1ヶ月半程度で山谷をつける傾向が見られているためです。
日経平均に明確なトレンドが出るまでは、こまめに利益確定をしながら、安く買って高く売る戦略があっているかもしれません。