〜 小野山功が見通す「来週の株価材料」 〜
9月21日(水)の日米金融会合を前に、閉塞感が強い相場が今週も続きました。TOPIXは15日まで7営業日続落。2年5か月ぶりの続落記録です。
相場下落を受け、5日連続で日銀によるETF買いの出番となったものの、今週ばかりは無駄撃ちに終わった印象も…。
日銀は企業支援のETFと併せて、1回当たり745億円の資金を株式市場に投じています。今月は6回、総額4470億円もの買い入れを実施しましたが、うち5回は日経平均が“陰線”で引けており、相場の閉塞感を打ち破ることはできませんでした。
■16日(金)はムード改善も
TOPIXが2年5か月ぶりに7日続落した翌16日、前場で日経平均、TOPIXともに上昇していたため、この日は「日銀出動」は無い模様。後場は崩れそうな気配も感じましたが…。
終わってみれば後場一段高の展開で、日経平均は7日ぶりに陽線を付けました。
16日は今週売られっぱなしだった銀行セクターが業種別の値上がり率で首位。あくまで日銀会合前に売りポジションの買戻しによる一時的な反発の可能性はありますが、銀行株が上昇すると、全体の相場の雰囲気は良くなるものです。
また、16日より販売が始まったアップルのスマートフォン「iPhone7」ので出足が好調との見方から、(6981)村田製作所、(6770)アルプス電気などアップル関連株が買われたことも相場のムード改善に寄与しました。
■気を付けるべきは、祝日明けの23日
週明けはいよいよ、日銀の金融政策に関する「総括的な検証」の結果が明らかになります。
投資家にとってははた迷惑なことに、飛び石連休の谷間にあたる21日(水)に結果が判明します。
21日の昼すぎにも判明するとみられていますが、翌午前3時には米FOMCの結果が判明するため、日銀の決定だけで相場の方向感が出ることはないでしょう。
気を付けなければならないのは、むしろ翌営業日の23日(金)です。
米国の利上げが先送りされた場合、日本市場が休場中の22日(木)の外国為替市場で円の売り仕掛けが起こる可能性があるため、波乱含みの展開となりそうです。
小野山 功