~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
今年から始まった「山の日」の祝日で、11日からすこし早めのお盆休みを取られている方も多い事でしょう。
市場関係者の減少で相場の方向感は出にくいと思われましたが、蓋を開ければ想定外の株高となりました。日経平均は約2ヶ月半ぶりに16900円台を回復して今週の取引を終えています。
日本が休みの間に米国株が3週ぶりに史上最高値を更新したほか、ドイツなど欧州株が総じて強含んだことから、外部環境の好転が日本株の上昇をアシストしました。
また、国内要因として、下がったら日銀が(700億円超の資金を投じて)買い支えるという安心感があり、官製相場の様相が色濃くなっています。
ただ、外国人投資家はというと、まだ日本株買いに転じたわけではないようです。
■8月4日を境に劇的な変化が起こった?
東証が8月10日に公表した8月第1週の「投資主体別売買動向」によると、海外勢は日本株を4587億円売り越しており、週間ベースでの売り越し額は今年3月以来およそ4ヶ月半ぶりの大きさでした。
8月2日、3日の2日に日経平均が550円超下落しており、この間に下げを主導したのは海外勢だったとみて間違いないでしょう。
しかしながら、外国人投資家の投資動向にも、8月4日を境に劇的な変化が起こった可能性があります。
日銀がETFの買い入れ額を1回あたり707億円に倍増させたことが4日の18時ごろに判明し、「中央銀行には逆らうな」として、日本株買いに転じた公算が高いのです。
■日経上昇のサイン、NT倍率が最高水準
日経平均は週間で665円高と3週ぶりの上昇となり、上昇率は4.1%と東証株価指数(TOPIX)の3.3%に比べて大きくなりました。
これを受けて、日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は「12.8倍」と、2000年以降の最高水準を付けています。
日銀買いによるETF買いのインパクトが大きいと考えられる日経平均の構成銘柄が、外国人投資家の買いにより、今週は大きく上がったという仮説が成り立つかもしれません。
今年に入り、先週5日までに外国人投資家は日本株を累計5兆円超売り越しています。彼らの動向に今週変化が起こったのでしょうか。
東証が8月18日の大引け後に公表する、8月第2週の投資主体別売買動向によって真相が明らかになります。
小野山 功