数少ない「最高益」連続更新見通し
┗ANAホールディングス(9202)
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*5月12日追記
やや上値は重いものの、3月28日以来の330円台回復となりました。ゴールデンウィーク期間の利用実績が9日に発表されましたが、海外はテロの影響で欧州便が苦戦した一方、アジア・オセアニア地域が好調で、国際線の旅客数は前年比15.3%増と好調でした。
4枠を獲得した羽田便は、10月30日からニューヨークとシカゴに就航することが決まりました。併せてメキシコへの直行便運航を発表しており、ネットワーク拡充を評価する向きも期待できそうです。
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決算シーズンに円高が重なったことで、輸出企業は大幅は減益見通しの発表を余儀なくされています。
今期の想定為替レートを1米ドル110円と想定した村田製作所は、今期2桁減益の見通しを開示し、株価は4月29日に14%安と急落しました。
ただ、円高は悪い面ばかりではありません。輸入企業であれば、原材料を海外から安く調達することができる為、業績面の追い風になります。
航空会社にとって、燃料費が最大の営業コスト要因になります。燃料は全量海外からの輸入に頼るため、円高・ドル安がコスト削減要因になります。
全日空の16年3月期の営業利益は、1,364億円と過去最高益を更新しました。ライバルの日本航空(2,091億円)には及びませんが、国際線の利用客数が15年度に初めて日本航空を上回る等、首位との差は縮まりつつあります。
公的資金を受けて再建した日本航空は、来年3月まで新規路線の開設が事実上制限されています。
2月の日米航空交渉で決まった羽田空港の米国路線の発着枠について、ANA4、JAL2と全日空に有利な条件に決まりました。
国際線の増便や燃油コストの低減で、17年3月期の最高益更新が視野に入る企業です。数少ない連続最高益見通しの銘柄として、引き続き堅調な値動きが期待できそうです。
小野山 功