★【日経が3日で+1150円超】急伸した日本株、買ったのは誰?
4月4日週の投資部門別株式売買動向によると、外国人投資家は326億円の買い越しました。年初から海外勢の売りが続いていましたが、実に14週ぶりに買い主体に転じています。
4月6日まで日経平均株価は7営業日続落し、市場は悲観ムードが漂っていましたが、木・金と底堅く推移しており、週末にかけて海外勢が日本株買いに動いたとみられます。
今週の日経平均は12日(火)~14日(木)の3日で1150円を超える急伸となりました。上昇の原動力になったのは、先週に続き海外勢だったのはほぼ間違いないでしょう。
■日本株を買ったのは「クジラ」か?
また、市場では今週の株高に関して、「クジラ」が買ったのではないかとの思惑が持ち上がりました。クジラと言っても、約130兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)ではなく、GPIFとの一元運用化された3共済のことです。
国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団の3つの共済年金は、昨年10月から運用が一元化されています。
これまで国内株の運用比率が低かった3共済が、GPIFの基準(国内株式:25%)まで株式を買った場合、投資余力が1.6兆円ほどあるとの証券会社による試算が明らかになり、公的年金の資金流入期待が相場を押し上げました。
ただ、年金は通常上値を追うような買い方はしません。日経平均が500円も上がっている日に買いを入れたとのウワサの信ぴょう性は高くありません。
日本株を押し上げたのは外国人投資家だったのか、それとも公的年金(信託銀行)だったのか。答えは、来週21日(木)に開示される投資部門別株式売買動向に持ち越しです。
■来週からの決算発表は見極めが必要
来週は米国の企業決算が本格化するほか、週の半ばからは3月期の主要企業の決算発表がスタートします。
市場では一時1年半ぶりの水準まで進んだ円高・ドル安を受けて、輸出関連企業を中心に業績面への警戒感が広がっています。
3月末から市場を襲った日本株独歩安は、企業業績の悪化を織り込んだものだったのか?それとも過度な悲観論によるものなのか。週明けから発表される、企業決算を見極める必要があります。
小野山 功