円高メリットを甘受する銘柄
日本の場合、自動車、電機、精密機器、機械など主力大型企業に輸出関連が多いため、どうしても“円高=全般的な企業収益の悪化”と受け止められがちだが、原材料の輸入や円高による海外旅行の需要増などに関連する企業に円高メリットが発生する可能性がある。
円高によるメリットで、まず想定されるのが、発電用の原油や天然ガスを輸入している東京電力ホールディングス<9501>などの電力会社や、東京ガス<9531>をはじめとしたガス会社だ。さらに、旅客機の燃油費軽減が予想されるJAL<9201>、ANAホールディングス<9202>といった空運会社にも恩恵が想定される。
次に注目なのは食品関連の銘柄。大豆、コーンなど原料を輸入して食用油を製造販売する日清オイリオグループ<2602>、J-オイルミルズ<2613>、不二製油グループ本社<2607>、昭和産業<2004>などにもメリットが予想される。また、ゼンショーホールディングス<7550>、すかいらーく<3197>といった食材を輸入する外食産業も恩恵を受ける可能性が高い。
さらに、国内での輸入品の販売比率の高い全国トップの家具・インテリア製造小売りチェーンのニトリホールディングス<9843>、靴小売り専門最大手のエービーシー・マート<2670>、輸入品を主体にエレクトロニクス関連の計測器を扱う専門商社の東陽テクニカ<8151>にも注目。
また、円高の進行で今後の需要増加が想定される旅行関連会社にも注目。とくに、個人の自由旅行に強みを発揮し、海外旅行比率の高いエイチ・アイ・エス<9603>、比較的富裕な高齢者層に強みを持つユーラシア旅行社<9376>、熟年向け海外パッケージ旅行の企画販売を行うニッコウトラベル<9373>にも注目が集まる。