利益剰余金1,400億円で「復配」へ
┗オリエントコーポレーション(8585)
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*4月7日追記
日経平均は8日ぶりに反発したものの、34円高と戻りは鈍く、一時マイナス圏に沈むなど神経質な値動きに終始しました。
円相場が対ドルで108円台半ばと、日銀が「ハロウィーン緩和」を行った2014年10月末以来の水準まで円高・ドル安に振れています。
トヨタや富士重工などの輸出関連株が年初来安値を付け、投資マインドを冷やしていますが、内需株であれば円相場に一喜一憂する必要はありません。
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みずほ系の信販大手。オートローン(自動車向けローン)で最大手で、カードローンによる融資や銀行ローンの信用保証も収益源です。
グレーゾーン金利撤廃による過払い金請求は依然として続いていますが、過払い金の請求時効は10年の為、最高裁による判決のあった2006年1月にすでに返済を終えていた過払い金の返還請求は、今年1月に時効を迎えました。
借金の返済後に10年が経過すれば時効により過払い金請求権が消滅するため、17年3月期以降、過払い請求の漸減が見込まれます。
オリエントコーポレーションは15年3月期に161億円の過払い金返還を行っています。同期の最終利益は184億円ですので、年間の利益に匹敵する金額を費用として計上していることがわかります。
仮に過払い金請求が3分の2に減少したと仮定すると、同社の利益を50億円超押し上げる要因になります。一株当たりに換算すると4円に相当する額で、17年3月期の一株利益は20円を回復する可能性があります。
オリコには優先株は残りますが、発行する優先株の残高(1,400億円)と剰余金が同額になれば、復配の具体的な検討に入るとしています。
17年3月期に250億円程度の最終益を確保すれば、この水準がクリアできる見通しですので、早ければ今期復配の可能性がありそうです。
小野山 功