「当たり屋につけ」+「Don’t fight the FED」=ドル安?
市場のテーマである、昨年12月に続く2度目の利上げ時期については(当然のことながら)明確な回答を避け、「慎重に進める」「データ次第」というほぼ満額回答をしたことは大いに評価すべき対応。
イエレン議長のハト派発言を概ね消化したマーケットの次なる材料は明日1日(金)の米雇用統計ですが、ここ最近の雇用関連指標の堅調さもあり、またマーケットのテーマが「次の利上げ」となっている昨今、明日予定されている米雇用統計も一種セレモニー的な立ち位置と捉えてよさそう。
いずれにしても、これからのドル/円相場を見ていくにあたって、足もとの材料によって当然上下変動はあり得るものの、投資判断の座標軸として持ちたい見通しは今後のドルは極めて上昇しにくい相場環境となりつつあるということ。
その後ろ盾として押さえておきたいのが、“新債券王”ジェフリー・ガンドラック氏の発言。以下、参考まで。
『ここ最近5年ぶりに“ドル以外の通貨”を買った』
『2016年はドル安の年になる』
『FRBが利上げをすればドル高になるという考えは全くの間違いである』
『(その証拠として)12月の利上げ後、ドルは下げている』
これら見方とともに、先般の講演でイエレン議長曰く、「さらなるドル高は望ましくない。ドル高はインフレ率や輸出を押し上げ、米製造業に打撃を与える」との発言も。
“当たり屋”ガンドラック氏の言葉とともに、世界の金融政策におけるキーパーソンであるイエレン議長の言葉に逆らうべきではないことは、「当たり屋につけ」「Don’t fight the FED(=中央銀行に逆らうな)」といった相場格言でも示されている通り、明らかな相場道理と捉えるべき。
ドル/円・日足チャートでは典型的な『保ち合い・下降ボックス型』を形成中と判断し、また同・日足・一目均衡表からも当面は上値の重い展開が継続すると見て、短期的な上昇は戻り売り姿勢で臨み、下放れは時間の問題と見た方が無難ではないでしょうか。