~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
外国人投資家による日本株売りが止まりません。東証が25日に公表した「投資部門別売買動向」によると、3月第3週までに海外投資家は11週連続で日本株を売り越したことがわかります。
売り越し額は4,579億円と前週から半減したものの、年初から一貫して売り越しており、金額は累計4兆8千億円に上ります。
今週はイースター休暇で休みを取る海外勢が多く、東証1部の売買代金は2兆円割れが続く閑散商いとなりました。
海外勢の売りは一旦止んだのか、それとも休暇明けにぞろぞろと出てくるのか、まだ予断を許さない状況です。
一方、3月末に向けて株式の需給改善を見込む声は多く、期末特有の「お化粧買い」への期待感が否応なく高まっています。
■年金運用は4兆円もの評価損
前四半期の12月末に比べ、日経平均は2,000円ほど下落しており、相場平均の運用を目指すパッシブ運用では、大方のファンドが運用損失を抱えている厳しい状況です。
世界最大の運用規模を誇るGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)もご多分に漏れず、株式運用で多額の損失を抱えているとみられます。
昨年12月末時点で、GPIFは日本株を32.5兆円程度保有しており、1~3月に12月末比で4兆円程度の評価損が出たものと推察されます。(*3月末の日経平均が17,000円と仮定)
■期末特有の「お化粧買い」が見られるか?
公的年金やファンドなど運用元は、3月31日時点の評価額を元に今年度の損益を報告します。
見た目を少しでも良くしたいと思うのは、人間の性というもの…。保有している銘柄に自ら買いを入れることで、月末時点の評価益を引き上げようと考えるもの無理はありません。
期末のこうした売買は「お化粧買い」と呼ばれ、年度末に向けた株高の根拠の一つになっています。
日経平均が3ヶ月で2,000円程下落した反動もあり、年度末最終週はお化粧買いによる尻上がりの相場展開になる可能性があります。
小野山 功