1万7000円挟みもみあい、イベント通過で買い手控え緩和も

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最新投稿日時:2016/03/11 18:53 - 「1万7000円挟みもみあい、イベント通過で買い手控え緩和も」(冨田康夫)

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1万7000円挟みもみあい、イベント通過で買い手控え緩和も

著者:冨田康夫
投稿:2016/03/11 18:53

来週の東京株式市場見通し

 来週の東京株式市場は、日経平均株価1万7000円を挟んでもみあう展開となりそうだ。ただ、週前半の重要イベントを通過した後は、買い手控え状態が緩和され、強含みとなる可能性もある。日経平均株価の想定レンジは1万6600~1万7400円とする。

 欧州中央銀行(ECB)は10日、マイナス金利幅拡大と量的緩和策を合わせて実施した。ドラギ総裁による利下げ打ち止め示唆発言を受け、11日の東京株式市場は朝方売り優勢でスタートしたものの、追加緩和策への評価が徐々に浸透し、日経平均株価は後場に入って前日比プラス圏に浮上した。来週前半に相次ぐ日米の金融政策会合に市場参加者の関心が集中する。

 日銀の金融政策決定会合は、「現状維持」との見方が多い。マイナス金利は2月16日から実施されたばかりで、マイナス金利幅の拡大などは難しそうだ。ただ、結果が「現状維持」となった場合、市場の反応は軽度な失望となりそうで、とくに外国為替市場では円高が進行する可能性がある。米連邦公開市場委員会(FOMC)で、今回は利上げが見送られる可能性が高そうだ。

11日の動意株

 サイオステクノロジー<3744>=4日連続のストップ高で新値追い。
7日終値からの上げ幅は計500円(1.9倍)に達している。8日に「子会社のProfit Cubeが金融機関向けに提供している収益管理システムで特許を取得した」と発表したことが人気化するきっかけとなったが、足もとでは値動きの軽さがさらなる買いを呼び込んでいる面もありそうだ。この特許は、金融機関の業務において法人・個人顧客の収益性を多様な属性を切り口として分析し、予算策定と実績管理を行う機能に関するもの。経営戦略の多様化と高度化を実現することができるという。

 アクセルマーク<3624>=ストップ高。
同社は10日、子会社のアクセルゲームエンターテインメントが16年春にサービス開始を予定している対戦RPG「ワールドクロスサーガ ―時と少女と鏡の扉―」の事前登録を開始したと発表。期待感が高まるかたちとなっているようだ。

 飛島建設<1805>=後場急伸。
同社は午後1時ごろに、従来、無配を予定していた16年3月期の期末配当について、普通配当1円と特別配当1円の計2円を実施すると発表しており、これを好感した買いが入っている。同社は1991年3月期以来無配を続けてきたが、26年ぶりの復配となる。同時に保有している第2回C種優先株969万6800株を3月11日付で消却すると発表しており、これを好材料視した買いも入っているようだ。なお、これにより同社が発行した優先株はすべて消却されることになる。

 神島化学工業<4026>=続急伸。
同社は10日の取引終了後、16年4月期第3四半期累計(15年5月~16年1月)の単体決算を発表。売上高は163億7200万円(前年同期比4.4%増)、営業利益は7億7600万円(同36.6%増)、純利益は6億1400万円(同66.0%増)と大幅な増益を達成、これを好感する動き。建材事業では新たに外装材事業(ラムダ事業)を譲受したことにより、非住宅分野の拡充に注力、輸入燃料価格の下落や投資有価証券の売却が利益を押し上げている。

 フジタコーポレーション<3370>=ストップ高。
同社は10日の取引終了後、アスラポート・ダイニング<3069>と資本業務提携を行うことを発表、これを好感する動き。今回、アスラポート・ダイニングは、第三者割当増資によりフジタコーポレーションから発行される新株式37万4000株(新株発行後の発行済み株式総数に対して25.86%)を取得。フジタコーポレーションが有する北海道・東北エリアにおける店舗運営ノウハウと、アスラポート・ダイニングが有する多数の外食業態の店舗運営ノウハウを活かすことにより、収益基盤の強化を図る。

 シーズ・ホールディングス<4924>=大幅反発。
10日の取引終了後に発表した第2四半期累計(15年8月~16年1月)連結決算が、売上高175億4800万円(前年同期比1.2%減)、営業利益30億4300万円(同4.3%増)、純利益21億300万円(同9.8%増)と最終利益で約1割の増益となったことが好材料視されている。卸売や海外販売が好調に推移したことが牽引役となった。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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