~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
大型株の戻りは鈍いものの、海外情勢の影響を受けにくい新興市場はいち早く株価の戻りがみられています。
特に東証マザーズ市場が活況です。11日の東証マザーズ指数は940.51(+20.40)と続伸し、昨年8月11日以来、7ヶ月ぶりの高値を付けました。
2月の株価急落で悪化した投資家の心理は徐々に快方に向かっており、値動きの良い銘柄についていこうという動きが一部でみられるようになりました。
■材料物色で続々と高値更新も
創薬ベンチャーの(4587)ペプチドリームが、ストップ高水準にあたる705円(+16%)高の5,100円まで買われ、実質的な上場来高値を更新。マザーズ上場のロボット開発ベンチャー(7779)サイバーダインは一時2,136円まで値を上げ、昨年来高値を更新しました。
両社はともに、手がかり材料が観測された銘柄です。ペプチドリームは国内証券による目標株価の引き上げ、サイバーダインに関しては、「米ナスダック上場を検討」と伝わっています。
きっかけがあっても買い手がいなければ、当然ながら株価はあがりません。ペプチドリームとサイバーダイン株の急騰は、マーケットが混乱から脱し、明るさが見え始めてきた兆しと判断することができるのではないでしょうか。
■冴えない主力株も来週半ばまで
さて新興株が盛り上がる反面、主力株はさえません。米ダウ平均が昨年末の水準にあと3%弱まで戻りを見せているのに対して、日経平均株価は10%超安い水準でもみ合っています。
日米の金融会合を控え、「今は動けない…」というのが、運用担当者の本音かと思われます。東証1部の売買代金が2.0兆円と今年最低を記録した10日も、欧州の金融会合が控えたタイミングでした。
来週は重要イベントが目白押しです。3月14日(月)-15日(火)の日銀・金融政策決定会合、15日(火)-16日(水)には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が予定されています。
日米の金融会合を無事に通過すれば、主力株にも資金を投じやすくなるとみられます。
新興市場が強いのは幕間つなぎに過ぎないのかもしれませんが、マーケットは徐々に落ち着きを取り戻しつつあるようです。
小野山 功