海外要因こなし上値試す、ECBの金融政策注視
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最新投稿日時:2016/03/04 18:42 - 「海外要因こなし上値試す、ECBの金融政策注視」(冨田康夫)

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海外要因こなし上値試す、ECBの金融政策注視

著者:冨田康夫
投稿:2016/03/04 18:42

来週の東京株式市場見通し

 来週の東京株式市場は、きょうまでの日経平均株価が4日続伸で合計988円高と、1000円近い急上昇となったことから、当然利益確定の売りも予想される。しかし、原油先物価格の推移に底堅さが出てきたことや、外国為替市場で円相場が円安・ドル高方向に進行しはじめたことを考慮すると、日経平均株価1万7000円を挟んだもみあいを経て、上値を試す場面も訪れそうだ。ただ、週末のメジャーSQ算出日に向けて、需給要因から波乱の可能性もある。来週の想定レンジは、1万6600~1万7500円とする。

 日本時間今夜発表される米2月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は、前月比19万5000人(前月は15万1000人)程度とされているが、市場予想と一致、または上回った場合、早い時期に追加利上げが実施されるとの観測が広がり、ドル買い・円売りが優勢になると可能性もある。

 もう一つの焦点は、欧州中央銀行(ECB)が事前に示唆した通りの追加緩和に踏み切れば、これも世界の株式市場にとって追い風となりそうだ。また、5日から北京で開催される第12期全国人民代表大会(全人代)で打ち出される経済政策にも関心が集まる。

4日の動意株

 日本基礎技術<1914>=後場上げ幅を拡大。
午後2時ごろ、16年3月期の連結業績見通しについて、営業利益を従来予想の8億円から9億8000万円(前期比33.3%増)へ、純利益を5億円から5億4000万円(同67.2%減)へ上方修正したことを好感した買いが入っている。完成工事総利益率の向上に加えて、連結子会社の工事採算性の向上などが寄与したという。なお、売上高は239億円(同7.6%増)で据え置いた。
 また、利益予想の修正に伴い、従来4円を予定していた期末一括配当を8円にするとあわせて発表しており、これも好材料視されているようだ。

 インフォテリア<3853>=急動意。
同社はきょう、ミャンマーのマイクロファイナンス機関「BC Finance」とブロックチェーン技術の実証実験を行うことで基本合意したと発表。これが材料視されているようだ。ウィンドウズサーバー上で稼働しているBC Financeの融資システムにプライベートブロックチェーン技術を導入するための実証実験を6月までに開始する予定。実証実験の結果などについては追って報告するとしている。

 ジャムコ<7408>=7日続伸。
この日正午ごろに、独プレミアムエアロテック社(アウグスブルグ)とエアバスA350型機向け貨物室床下構造材(カーゴストラット)を供給する契約を締結したと発表しており、業績への寄与を期待した買いも入っている。カーゴストラットは、炭素繊維複合材料を使用したL型、C型などの断面形状を有する構造部材。同社はこれまで、エアバスA350を除く全ての機種の垂直尾翼用縦通材、およびA380向け二階床構造部材を供給してきたが、今回の契約締結によりA350を含めた全機種への炭素繊維構造部材の供給が実現することになるという。

 住江織物<3501>=急騰。
きょう付の日経産業新聞で、「太陽光発電ができる繊維を開発した」と報じられており、これを好感した買いが入っている。記事によると、金属製の心材に有機材を塗り重ねた直径0.25ミリメートルの糸で、ポリエステルなどの繊維に織り込んで布状の太陽電池をつくれるという。太陽光パネルに使うシリコン製太陽電池は折り曲げることができなかったが、同繊維では一般的な繊維と一緒に布に織り上げれば、布型の太陽電池となり、曲げたり畳んだりすることができるようになるという。なお、記事では19~20年の実用化を目指すとあることから、中長期の成長力強化にも貢献が期待されている。

 アルチザネットワークス<6778>=一時ストップ高。
同社は3日の取引終了後、16年7月期の連結業績予想の修正を発表。営業利益を従来予想の6億円から6億5500万円(前期比17.4%減)へ、純利益を3億5000万円から3億8500万円(同29.1%減)へ上方修正、売上高は28億5000万円(同1.2%増)で据え置いた。国内向けモバイルネットワークソリューションが好調に推移している。

 テクノホライゾン・ホールディングス<6629>=大幅続伸。
光学機器メーカーでレンズ技術に強みを持ち、360度カメラなど監視カメラ分野への展開も厚い。連結子会社を通じて車載カメラ分野も深耕、自動車のミラーレス時代の到来を前に収益機会をとらえるとの思惑もあるようだ。株価は1月26日に437円の高値まで一気に水準を切り上げ、その後は値を崩したものの、材料株素地は群を抜く。回転売買中心だったこともあり350円近辺までの滞留出来高は乏しく、足の速さが改めて注目されている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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