1万6000円挟み小動き、為替依存度高く自主性希薄に
明日の東京株式市場見通し
24日の東京株式市場は、
日経平均株価1万6000円を挟んでの比較的小幅な値動きとなりそうだ。きょうの株価推移をみても、前日の欧米株相場の堅調や原油価格の上昇を好感して
日経平均株価が一時、前日比240円近く上昇したものの、外国為替市場で円高・ドル安が急速に進んだことを嫌気して、前日比マイナス圏まで売られるという、腰が据わらない値動きとなっている。
市場関係者からは「ここ数日、東証1部の売買代金が減少傾向となるなか、これまでにも増して、株式市場の為替相場依存度が高まり“自主性”が希薄となっている。したがって、業績やテーマ、個別材料などを背景に一時的に人気化しても、結局のところ円相場や原油価格の波乱に押し流される結果となっている」との見方が出ていた。
23日の東京株式市場は、朝方高く始まったものの、その後は値を消す展開。後場は、ほぼ前日比マイナス圏で推移する展開となった。
日経平均株価終値は、前日比59円安の1万6052円05銭と小幅反落した。
23日の動意株
シリコンスタジオ<3907>=ストップ高。
引き続き22日に発表した米ミストウォーカー(ハワイ州)との共同開発開始を好材料視した買いが入っていることに加え、この日前引け後には、「Game Developers Conference 2016(GDC2016)」への出展を発表しており、これも好感されている。「GDC2016」は、3月14日から18日まで米サンフランシスコで開催される世界最大のゲーム開発者向けイベント。今回、同社ではリアルタイムレンダリングエンジン「Mizuchi」の新機能として追加を予定している人肌表現、大気散乱表現、アニメーション制作機能のデモなどを予定しており、ビジネスチャンス獲得への期待が高まっているようだ。
ハイパー<3054>=後場ストップ高。
同社は午後1時ごろに自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入った。上限を12万8000株(発行済み株数の3.00%)、7000万円を上限としており、取得期間は2月25日から3月24日まで。
ロゼッタ
<6182>=大幅続伸。
企業や研究機関からの翻訳業務を受託するが、人工知能(AI)を活用した自動翻訳サービスを手掛けていることから相場の物色テーマに乗っている。ネット上の膨大な言語情報をビッグデータ解析により自動翻訳に応用、契約企業数の拡大につなげている。16年2月期は営業利益段階で前期比50%増の1億9300万円を見込んでいる。チャート的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現で底離れの動きが鮮明。
ロジコム
<8938>=ストップ高。
同社は22日の取引終了後、ダヴィンチ・ホールディングスと資本業務提携を行うと発表したことが好感されている。両社は資本業務提携により、不動産ファンドに関する情報・ノウハウの交換、人的交流および不動産ファンド業務における連携を行う。同時にロジコムは、ダヴィンチの創業者である金子修氏とロジコム子会社のLCパートナーズ代表取締役の小山努氏を割当先とする第三者割当増資を実施する。
スリー・ディー・マトリックス<7777>=ストップ高。
同社は22日の取引終了後、メキシコにおける吸収性局所止血剤「PuraStat」の医療機器製品登録について、当局からの承認を取得したと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。同社は14年1月に欧州連合(EU)での販売に必要な安全基準認証「CEマーク」(マーク適用圏では認証内容を製造販売承認申請へ資料として提出可能)を取得しており、認証を活用してメキシコで申請を行っていたが、これが承認された。
フジクラ<5803>=大幅反発。
22日の取引終了後に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入っている。上限を1000万株(発行済み株数の3.27%)、または65億円としており、取得期間は2月23日から4月28日まで。株主還元水準の向上および機動的な資本政策を遂行するのが目的としている。
配信元: