業績下方修正銘柄に過剰反応、25日線割れで先高期待萎む

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最新投稿日時:2016/02/03 18:59 - 「業績下方修正銘柄に過剰反応、25日線割れで先高期待萎む」(冨田康夫)

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業績下方修正銘柄に過剰反応、25日線割れで先高期待萎む

著者:冨田康夫
投稿:2016/02/03 18:59

明日の東京株式市場見通し

 4日の東京株式市場は、きょう大幅安した後だけに自律反発期待はあるものの、原油先物価格や外国為替市場での円相場など外部要因に左右される可能性があり、日経平均株価は軟調な推移となりそうだ。テクニカル面では、1日にようやく上回ったばかりの25日移動平均線(1万7537円=3日)を早くも割り込んでおり、先高期待感が萎んできた。

 市場関係者からは「4~12月期累計決算の発表が佳境を迎えるなか、業績見通しの下方修正や、アナリストリポートによる投資判断や目標株価の引き下げの対象となった銘柄の株価が極端に下落する傾向が散見される」との見方が出ていた。

 3日の東京株式市場は、原油先物価格の低下や、これに関連した欧米株式相場の下落を嫌気して、ほぼ全面安の展開となった。日経平均株価終値は、前日比559円43銭安の1万7191円25銭と大幅続落。ただ、東証1部の売買代金は、3兆1396億円と高水準が続いている。

3日の動意株

 淀川製鋼所<5451>=大幅高。
同社は2日の取引終了後、16年3月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の1610億円から1590億円(前期比9.6%減)へ下方修正した一方、営業利益を52億円から67億円(同95.4%増)へ、最終損益を35億円の赤字から27億円の赤字(前期26億1700万円の黒字)へ上方修正した。建材向けめっき鋼板の販売量減少などを受けて売上高は減額されたが、採算重視の販売活動やコストダウンに注力したことが奏功した損益は改善に向かっている。また、あわせて上限を80万株(発行済み株数の2.58%)、または20億円とする自社株買いを発表しており、これも好材料視された。

 大正製薬ホールディングス<4581>=後場に上げ幅拡大。
きょうの後場寄りに16年3月期第3四半期累計の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.5%増の2249億7800万円と増収を確保した。営業利益は同8.5%減の227億2200万円となったものの、広告宣伝費の増加などで販売費および一般管理費が増加したことが要因としており、据え置かれた通期の連結営業利益予想270億円(前期比15.6%減)に対する進捗率は84.2%に達していることもあって、買い安心感につながっているようだ。ただ、通期の連結売上高は従来予想の2950億円から2900億円(前期比0.2%減)へ、純利益は法人税などの見直しで同220億円から215億円(同12.3%減)へ引き下げられた。

 出光興産<5019>=堅調。
同社は2日の取引終了後、16年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を従来予想の4兆900億円から3兆7500億円(前期比19.0%減)へ、営業損益を400億円の黒字から30億円の黒字(前期1047億9800万円の赤字)へ、最終損益を280億円の黒字から130億円の赤字(同1379億5800万円の赤字)へ修正した。原油価格の大幅な下落により在庫評価損が従来予想の430億円から800億円へ増加することで最終赤字になるが、株価は原油安を要因に1月21日に1597円の昨年来安値を更新していたことから、業績悪は織り込まれているようだ。

 東亜ディーケーケー<6848>=急伸。
同社は2日の取引終了後、16年3月期第3四半期累計(15年4~12月)の連結決算を発表。売上高は101億2100万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は8億2300万円(同32.3%増)、純利益は5億4600万円(同44.5%増)と大幅な増益を達成したことが好感されている。環境・プロセス分析機器は国内で環境用水質分析計が更新需要にともない堅調に推移している。

 アクモス<6888>=一時ストップ高。
同社は2日取引終了後に、16年6月期第2四半期累計(15年7~12月)の連結決算を発表。最終損益は6100万円の黒字(前年同期は1億7200万円の赤字)となり、通期計画3000万円を超過した。売上高は18億8100万円(前年同期比28.4%増)、営業損益は4800万円の黒字(前年同期は1億4500万円の赤字)で着地。消防指令台システムのライセンス販売などで、主力のITソリューション事業の売上高は17億4700万円(同29.7%増)となった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

 アプリックスIPホールディングス<3727>=堅調。
その後は全体地合い悪に流されて伸び悩んでいるものの、プラス圏をキープしている。携帯電話用ソフト開発からIoT(モノのインターネット化)へと経営の重心を置き換え再建に取り組んでいる。世界で初めてIoT家電機器向けアナログ半導体を開発するなど手掛かり材料を提供。直近では2日付で、北米大手ペット用品メーカーがアプリックスのIoT技術を採用したことを発表、業容拡大期待を背景に短期資金の買いを誘導している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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