イベント通過で売り圧迫軽減も、警戒根強く買い限定的
明日の東京株式市場見通し
20日の東京株式市場は、きょうの4日ぶりの反発で、投資家心理がやや正常に戻ることが期待され、
日経平均株価は続伸となりそうだ。
きょう午前に発表された中国の15年10~12月期の国内総生産(GDP)実質成長率が前年同期比6.8%増となったことへの東京株式市場の反応は限定的なもとなった。概ね市場予想に沿った内容だったこともあり、売り買いが拮抗する状態。
市場関係者は「中国10~12月期GDPの内容が市場予想を下回れば、
日経平均株価も大幅続落との見方があっただけに、“好結果”と判断したい。懸念されたイベントが通過したことで、売り圧迫がやや軽減されるのではないか」としている。
ただ一方で、きょうも東証1部の売買代金は2兆1932億円と盛り上がりに欠けているうえに、値上がり銘柄数が861に対して値下がりが948(変わらずは126)と多いことなどから根強い警戒感も感じとれる。
19日の東京株式市場は、前日比終値を挟んで何度もプラス圏とマイナス圏を往来する気迷い相場となった。
日経平均株価終値は、前日比92円80銭高の1万7048円37銭と4日ぶりに反発した。
19日の動意株
ジグソー
<3914>=後場カイ気配を切り上げストップ高。
同社はきょう、ZMP(東京都文京区)とLinuxをベースにセキュリティーやパフォーマンスを強化した自動運転用リアルタイムOS(基本ソフト)「IZAC-OS(アイザック・オーエス)」の共同開発をスタートさせたと発表。これが刺激材料となっている。同社は既にIZAC-OS向けオリジナルカーネルの提供を開始しており、今後両社はさまざまなセキュリティー・耐久性に関するテストを公道実験などで繰り返し、世界で最も強固な独自OS「IZAC-OS」を開発する計画。ZMPは自動運転向け車載コンピューター「IZAC」のOSを、今後「IZAC-OS」に移行するとしている。
メタップス<6172>=後場に入ってストップ高。
同社はきょう、決済プラットフォームSPIKEを活用した「SPIKE Fintech Platform」の提供を開始したと発表。これが材料視されているようだ。SPIKE Fintech Platformは、SPIKEの20万以上の登録事業者に対して金融機関や事業会社が共同でサービスを提供できる仕組み。各企業の持つ商品やサービスの特徴を生かした新たなサービスの創出を目指すとしている。
倉元製作所<5216>=後場ストップ高。
株価は昨年12月3日につけた高値668円から前日安値280円まで6割近く下落しており、秋以降の下値メドである270円近辺に接近したことで、値頃感から自律反発狙いの買いが入っているもよう。5日には15年12月期業績の下方修正も発表しており、来月12日に発表予定の16年12月期業績予想への回復期待も強まっているようだ。
リボミック<4591>=ストップ高。
18日の取引終了後、日本特許庁に出願していた「RBM007」(抗FGF2アプタマー)に関する物質特許について特許査定を取得したと発表しており、知的財産戦略強化につながるとの見方から買いが入っているようだ。同特許は、同社の創薬パイプラインである抗FGF2アプタマーをカバーする特許の一つ。FGF2(線維芽細胞増殖因子2)は骨疾患、ガン性疼痛、線維症、加齢黄斑変性症など、医療ニーズの高い多くの疾患の原因物質と考えられているが、抗FGF2アプタマーに関して同社では、既に米国での権利化に成功している。
サトーホールディングス<6287>=急反発。
同社はきょう、ソフトウエア開発子会社のSATO Global Solutionsが米インテルと連携し、小売業向けIoTソリューションを開発したと発表。16年第2四半期中にも欧米市場を手始めに提供を開始するとしており、これが期待材料となっているようだ。このソリューションは、在庫管理や生産性の向上、コスト削減、売り上げ拡大という根本的な問題に取り組み、小売業の投資利益率を高めることに貢献。また、来店客に最先端のショッピング体験も提供できる。
インベスターズクラウド
<1435>=ストップ高。
同社はきょう、スマートロック製品の開発・製造・販売などを手掛けるQrio(東京都渋谷区)と技術提携したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。同社が開発するスマートドアホン「TATERU kit」とQrioが開発する「Qrio Smart Lock」を連携し、民泊サービスでの活用を目指すとしている。
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