【投資脳*海外株】新参にはチャンスか、建銀アジアが拡張へ

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【投資脳*海外株】新参にはチャンスか、建銀アジアが拡張へ

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■オバマ氏が圧倒的勝利を収めた歴史的な日に、
株式市場は洗礼を浴びせました。

そんな中、トヨタ自動車が大幅な業績修正を発表、
世界恐慌がいよいよ企業業績に大きなマイナスインパクトを与え始めています。

■11月より当メールマガジンでお伝えし始めている欧州情報。

英イングランド銀行や欧州中銀(ECB)など欧州の主要中銀が、
利下げに踏み切ったわけですが、市場の反応は厳しい。

ロンドンFTSE100種総合株価指数、
ドイツ株式指数(DAX)は3~4%の下落で始まっています。

10月末より続いた世界の株式市場の変調の兆しなのか。
それとも、一過性で再び力強い上昇を見せるのか。

関連する情報を本日お届けしたいと思います。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上ご利用ください。
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●【香港】新参にはチャンスか、建銀アジアが拡張へ[金融]
●【デンマーク】カールスバーグ、第3四半期は47%増益[食品]
●【EU】9月小売売上高、0.2%減[経済]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…

●【香港】新参にはチャンスか、建銀アジアが拡張へ[金融]


中国本土の4大国有銀行の一つ、中国建設銀行の香港子会社、建設銀行(亜洲)は、
不動産市況の軟化を背景に、支店網を大幅に拡大させる計画だ。
3年内に香港・マカオ地区で最大100店舗体制を目指す。
本土大手系としては比較的「新参」の同行にとっては目先で進行中の不況も、
ブランド力のアップと業容拡大の好機ととらえているようだ。
5日付明報などが伝えた。

建銀アジアの域内店舗は現在29支店。
年内にこれを36支店まで増やすことを既に決めていた。
同行によれば、金融危機をきっかけにした不動産価格の下落を機に、
物件探しを始めており、来年中には50支店体制を目指すという。
3年内の中期では80~100支店に目標を設定した。

他の金融機関は金融危機の対応に追われ
業務拡大に向けた大きな動きはみせていないが、
本土行は比較的影響が軽微といわれており、
同行の強気な姿勢は本体の豊富な資金力も背景にありそうだ。
同行は資本力強化のため本体から8億米ドルの注入を受けたことも、
合わせて明らかにしている。<香港>

【木下コメント】
苦境に立たされた時に業要を拡張できる企業は強い。
それは、苦境時の王様である“現金”を持っているからに他ならない。

しかし、現実には現金があるからといって業要を拡大できるわけではない。
韓国では、現代自動車のブラジル工場の着工が延期される見通しとなった。
同社の幹部によると、金融危機による世界的な景気減速で、
各国の自動車メーカーが減産態勢に入る中、
新しい工場を建設するのは現実的ではないと判断したようだ。

また、米クレジットカード大手アメリカン・エクスプレスはこのほど、
インド事業の人員削減を検討していることを明らかにした。
苦境期には、設備投資を少なくし、コストを削減する、
ということが王道の経営判断だ。

世界恐慌の動きが実体経済に悪影響を及ぼしている。
マクロ環境はもちろんだが、ミクロの企業にどういった影響を与えるか、
細部を分析していく必要が出てきた。


●【デンマーク】カールスバーグ、第3四半期は47%増益[食品]

ビール大手のカールスバーグが5日発表した第3四半期(7~9月)の
営業利益(特別損益除く)は30億5,400万デンマーククローネ(5億3,000万ドル)
となり、前年同期比47%増加した。

売上高は184億4,300万デンマーククローネと48%増加。
東欧が2倍以上に拡大し、けん引役を果たした。
足元の北・西欧(ポーランドやバルト3国含む)とアジアはいずれも25%増えている。

同社は通年の営業利益の見通しを従来の81億デンマーククローネから
79億デンマーククローネに引き下げている。

なおカールスバーグは2011年に英リーズ工場を閉鎖すると
併せて明らかにした。
英国の消費減退と高い税率が背景にある。
さらにバルト3国とフィンランドでそれぞれ80人、60人ほどを整理する計画だ。

【木下コメント】
今回の世界恐慌を引き起こした大きな要因のひとつに、
ヨーロッパの足並み乱れがある。
その結果、ヨーロッパ各国の通貨はユーロを中心に大幅な下落となっている。

その結果、業績が好調でも株価は下落してしまう。
好調を持続しているビール大手カールスバーグの株価も直近大幅な下落を演じている。
※Carlsberg A/S (Copenhagen Stock Exchange)
http://jp.reuters.com/investing/quotes/chart?symbol=CARLb.CO

業績と共に為替が株価に大きな影響を与える。
その意味では円高に振れている日本は評価されているということになる。
今は円高が日本の株価にマイナス影響を与えている。
しかし、それはいずれプラス評価に変わる可能性を考えておくべきだろう。


●【EU】9月小売売上高、0.2%減[経済]

欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは5日、
9月のユーロ採用15カ国の小売売上高が前月比0.2%減少したと発表した。
市場予測に反して8月の0.3%減からマイナス幅が縮小した。

前年同月比では1.6%減少。
ベルギーが4.2%伸びた半面、スペインが7.1%落ち込んだ。

EU加盟27カ国全体では1年前から0.4%縮小。
ルーマニアやポーランドが高い伸びを示した一方、
ラトビアとエストニアはそれぞれ13.4%、9.9%減少している。
英国は2%のプラスだった。

品目別に見ると、ユーロ圏では食品・飲料・たばこが
前年同月比2%のマイナス。非食品も1.1%減少している。

【木下コメント】
これから株式市場を覆うのは、消費の悪化だ。
本日引け後に発表があったトヨタ自動車は、大幅な業績予想修正を発表した。
各種報道で1兆円程度にまで営業益が落ち込むと予想されていた。
しかし、その予想は、さらに下方へ修正、
6,000億円と前年対比7割もの減益を余儀なくされている。

トヨタ自動車/業績予想の修正に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081106004436.pdf 

自動車は消費の裾野が広い。
その自動車を扱う企業がこれほど業績が悪化したということは
消費が大きく悪化しているということになる。
特に、欧州、北米の消費はこれからもさらに悪化する。

株価にとってネガティブな要素がこれからも続く。
10月末から上昇した株式市場。
冷やされるリスクを考えて、消費関連企業に対しては準備をしておくことが必要だ。


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 編集後記
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●懸念再燃にどう対処する?

短期間に急速に上昇した株式市場。
金融恐慌が過ぎ去ったとはいえ、懸念が払拭されたわけではありません。

恐怖指数「VIX」も未だ高止まり。
http://finance.yahoo.com/q?s=%5EVIX 

ここは焦るところではありません。
上がったからといって急いで買う必要もないですし、
下がったからといって弱気になる必要もありません。

ただし、1社1社をしっかりと眺め、リスクが高まっている業種や企業に対しては
慎重になることは必要だと思います。
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