【投資脳のつくり方】三井住友FGの今期、与信費用増で下方修正

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【投資脳のつくり方】三井住友FGの今期、与信費用増で下方修正

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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

■本日の日経平均株価は大幅続伸、世界的な株高の週央となっています。
もちろん、状況が大きく変わったわけではありません。
また、不透明要因が払しょくされたわけでもありません。

それにしても、乱高下が激しく、投資家の多くは一喜一憂してしまうでしょう。
特に、米NYダウの値動きが激しいことが影響しています。


■実際、米NYダウは10月以降、日々の変動幅が大きくなっています。
米NYダウの日中値幅(高値と安値の差)が
3ケタとなった日数は28日時点で全営業日の20営業日。
しかも、2008年以降は、日中値幅が3ケタとなった日数は全営業日
(28日時点、209営業日)の95%を占める198営業日に達しています。

2007年は全251営業日のうち65%にあたる164営業日の日中値幅が
3ケタだったことを考えると、相場変動の大きさが
一段と加速していることが分かります。


■株式市場の大底というものは、何度かの試練を乗り越えて形成されるもの。
今は目先の2割、3割の下落を覚悟し、2倍、3倍を狙って投資できるかどうか、
自分自身に問いかけるタイミングです。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
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┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.三井住友FGの今期、与信費用増で下方修正

2.米消費者信頼感指数、10月最低

3.ミクシィ、日本郵政と年賀状

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081029-toushinou.pdf

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1.三井住友FGの今期、与信費用増で下方修正

(出所)2008年10月29日付日経速報ニュース、Yahoo!ニュースより

 ●邦銀、業績大幅下方修正へ
 ●与信関係費用の増大は、国内景気の悪化
 ●明日の株式市場で、どう評価されるか

三井住友フィナンシャルグループ(8316)は29日、
2009年3月期の連結純利益は前期比61%減の1800億円になりそうだと発表した。
従来予想は4%増の4800億円。
また、08年4―9月期の連結純利益は前年同期比50%減の850億円となったよう。
従来予想は23%増の2100億円。

世界を揺るがせている証券化商品の減損は下方修正の要因ではない。
08年4―9月期では、米国の信用力の低い個人向け住宅融資
(サブプライムローン)関連は46億円の損失計上。
また、サブプライム関連以外の証券化商品等の損失額は109億円程度だ。
さらに、世界中で猛威をふるっているモノライン(米金融保証会社)での
クレジットデリバティブ取引(CDS)は17億円の損失計上にすぎないのだ。

一方、与信関係費用の増加は業績を大きく悪化させた。
米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻で100億円の損失を計上するなど、
与信関係費用が前回予想と比べ1300億円増加したことでほとんど説明がつく。
国内景気が大きく悪化していることを反映している。

業績悪化予想は、すでに報道されていることではあるが、
事実として発表されると株価にマイナス影響を及ぼすだろう。
29日の東京株式市場は、日経平均株価は、
前日終値比589円98銭高の8211円90銭と大幅高で終えたものの、
同社は前日比1.49%高でとどまっている。

明日の日本市場で株価が底堅く推移するのであれば、
世界的なリスク資産圧縮の動きが弱まってきたとも言える。
金融株は投資するかどうかは別にしても、
引き続き注目しておかなければならない。


2.米消費者信頼感指数、10月最低

(出所)2008年10月29日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●株価を考える上で、個人消費はとても大切
 ●いま注目すべきは、北米クリスマス商戦
 ●台湾メーカーの経営判断にヒントがある

米調査会社コンファレンス・ボードが28日発表した10月の消費者信頼感指数
(1985年=100)は38.0と、前月から23.4ポイント低下し、
調査開始以来の最低を記録した。
同社は「このところの金融危機の影響が
消費者心理に打撃を与えている」と分析している。

新興国のデフォルトリスクとともに、いま市場を悩ませているのは、
世界の消費エンジンである北米のクリスマス商戦だろう。
この行方は、消費者信頼感指数を見ると、
とても苦しい展開となることが予想される。

国民総生産(GDP)は個人消費によって成長する。
特に、米国のようにGDPの7割が個人消費で占められている国は、
消費減退の影響は大きい。しかも、
米国の消費によって世界中が輸出を行い潤っていた。
儲けが還流し、さらに潤っていった。
その動きが逆回転するとき、
これだけ下落した株価がまだ下がると考えるべきなのだろうか。

その可能性を考えるとき、“台湾メーカー”を見ることが肝要だ。
北米向け商材を多く扱うメーカーが多いため、
彼らの経営判断は、投資に直結するヒントがある。

では、その台湾メーカーはと言えば、液晶部材を扱う友達光電、
奇美は第4四半期も減産する予定だ。
業績はかなり悪化しているにも関わらず、増産する兆しは見えない。
状況は芳しくない。
だから、外需はもう一段の下落リスクがある、と考えておきたい。
しかし、仮に北米クリスマス商戦の悪化があっても、
株価がしっかりしているのであれば、それは底固めの証拠と考えることができる。
PBR(株価純資産倍率)が大きく1倍割れしているSONYなど、
バリュエーションから判断できない以上、
下落するリスクを考えながら、市場に臨みたい。


3.ミクシィ、日本郵政と年賀状

(出所)2008年10月29日付日経産業新聞3面より

 ●ミクシィが新サービス
 ●古くからある年賀状サービスとSNSを融合
 ●事業会社の視点を持つことで将来が明るくなる

交流サイト(SNS)国内最大手のミクシィは28日、
1500万人の会員が年賀状を送り合えるサービスを始めると発表した。
年賀状は百種類以上のデザインを用意するほか、広告媒体としても活用する。
既にトヨタ自動車など国内の大手数社が広告として活用することを予定している。
一般デザインは98円で、広告を掲載した場合は48円で年賀状を送ることができる。

年賀状サービスについては、
11月中にミクシィ内に受け付けのためのページを開設する。
郵送する友人を選び、年賀状作成機能を活用してデザインやメッセージを決める。
受け手側が承認して実名と住所を入力すれば1月1日に年賀状が届く。
ネット上で友人として登録したり同じコミュニティーに参加したりしていれば、
実際の名前や住所を知らなくても年賀状が届くのが特徴だ。

個人情報保護法の観点から若い世代は学校などで住所録を作成しておらず、
新年のあいさつを電子メールなどで済ませる人が多い。
同窓生などに年賀状を送りたいという若者の需要を見込む。
SNSを活用した郵便サービスは世界でも珍しいという。

笠原社長は「手紙は平安時代からあるもの。
それが最先端のSNSと組み合わさることで画期的に変わる」と指摘。

ミクシィは現実社会とネット社会をうまく融合している会社だ。
同じ年齢である笠原社長は、まさに「ナナロク」世代の発想を持ち、
面白いことを考え続けている。
新しいアイデアが過去のサービスとつながることで、新しい世界が開ける。
株式市場から世の中を見ると暗いことばかりだが、
事業会社の視点を持てば、将来に大いなる期待が持てる。


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■編集後記
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●為替

GDPと共に各国のパワーを表すものに“為替”があります。
為替を予測することは、株式市場以上に難しいと思いますが、
それでも円高は目先の株価にマイナス影響となります。

一方で、円安になった本日は、外需が大きく上昇します。
円安が日本の投資家に好感されています。

でも、本当にそうでしょうか。
自国通貨がこれだけ強くなることは、本来歓迎されるべきこと。

日本は円高をいつも乗り越えてきました。
今回も目先の円高が実は、
日本を再評価する動きの予兆であると期待したいものです。


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