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「なんちゃって5G」をKDDIとSBは拡大、ドコモは慎重
今春から商用サービスが始まった第5世代(5G)移動通信システムの基地局整備で、携帯電話大手の対応が割れているようです。
総務省は近く、すでに普及した「4G」に使われている周波数帯を「5G」に転用できるよう規則を改正するそうで、これを受け、KDDIとソフトバンクは、既存の4G基地局を5Gに転用して通信エリアを拡大する方針ですが、ドコモは25日、5G特有の品質を重視し、時間をかけても専用基地局を整備する方針を明らかにしたそうです。
ドコモの中南技術企画担当部長は、都内で開いた5G整備計画説明会で、4Gの転用は当面せず「新たな周波数帯で5Gを積極的に展開する」と述べたそうです。
転用では「超高速大容量」「低遅延」「多数同時接続」という5G本来の性能が発揮できず、名ばかりの「なんちゃって5G」となることから、利用者に魅力をアピールできず、自動運転などへの活用も期待される技術に育たないとの判断のようです。
周波数帯の転用は、8月下旬から9月上旬をめどに総務省が解禁する予定で、携帯会社は、既存の4G基地局を5G基地局に置き換えたり、4Gと5Gの両方に対応した基地局を導入することができるようになり「基地局設置の期間短縮やコスト削減につながる」(総務省)とのことです。
解禁を受け、KDDIとソフトバンクは来年度末までに、それぞれ5G基地局を5万局超に前倒しする方針を打ち出した一方、5G専用設備にこだわるドコモの同期計画は2万局にとどまるようです。
5Gの周波数帯は電波が遠くまで飛びにくい特性がありますが、電波が飛びやすい4Gの周波数帯を転用することによって、通信エリアを一気に広げられるメリットもあるそうです。
一方、ドコモが周波数帯の転用に慎重な理由は、そのデメリットも大きいためで、転用では、通信速度が4Gと同程度にとどまり、5G本来の特長である超高速大容量通信を実現できないそうです。
また、転用により4Gで利用する周波数帯が減れば「4Gの通信速度も低下しかねない」(中南氏)とのことです。
5Gの「エリア」と「速度」のいずれを重視するかで対応が割れた形ですが、総務省担当者は「双方の特性を兼ね備えたサービスの普及が期待される」と各社の取り組みを見守る姿勢のようです。
まじめなドコモが「なんちゃって5G」に慎重となるのはドコモらしいですし、また、通信速度が遅くなっても「5G」の名をとって先進性をアピールしたいソフトバンクもソフトバンクらしいですね。
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