【投資脳のつくり方】日経平均先物、下げ幅1000円超

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【投資脳のつくり方】日経平均先物、下げ幅1000円超

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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

■吐き気がするほどの下落、とはこのことを言うのかもしれません。
一時は1,000円を超えるほどの下落、
実にブラックマンデーに匹敵するほどの下落でした。

8日の東京株式市場で東証1部の時価総額(東証算出ベース)は、
前日に比べ25兆1605億円減の287兆55億。
300兆円割れは実に、2003年12月24日以来、約4年10カ月ぶりのことです。

日本のGDPは約500兆円。GDPと株価は期間を長くとると相関すると考えられる
ことからすれば、極限まで下落している、ということになります。
それでも、買いの主体は見つかりません。

■昨日は、後場にかけて戻す動きもあり、本日のテレビ東京の番組等では、
「後場にかけて再び戻す動きがあるかも」という声も聞こえていました。
それがこの下げですから、投資家の期待をいかに大きく裏切ったか、
ということになるでしょう。
昨日の「ワールドビジネスサテライト」では、ミスター円の榊原英資氏が
「8,000円」が当面の下値目処になると警鐘を鳴らしています。

■だとしても、ここまで日本株が下がる理由はない、という私の考えは一貫
しています。
もちろん、株価は正義。
現実として株価は大きく下落しているので、
いくら一貫していようが、間違いは間違い。
マネーフローの逆回転の脅威に気づいていながら、
その規模の大きさを織り込んでいなかった反省はたしかにあります。

ただ、こういった環境でも、好材料も少しずつ出てはいます。
現在、反応はまったくしていませんが。
まず、海外で大きいのは、本日のコラムで詳細をお伝えしている
「英国大手金融機関に公的資金注入」というニュースでしょう。
また、国内では麻生首相の景気対策にかける意気込みにも
期待したいところです。

麻生首相は8日午後の衆院予算委員会で、足もとの株式相場の大幅下落に関し
「想像を絶するほど(の下げ)。やはり先行き不安がものすごく出てきている。
対策をきちんとしなくてはならない」と述べています。

いつ来るかは分からないけれども、危機は必ずや時が癒してくれる、
ということも私たちは経験済み。
逃げたくなる気持ちを抑えて、どれだけ市場に踏みとどまれるか、
私も含めて投資家の精神力が問われていると思います。

●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

本日もよろしくお願い申し上げます。

※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.日経平均先物、下げ幅1000円超
2.英政府、公的資金を大手行に注入 最大9兆円規模で救済
3.トヨタ、営業益4割減、今期見通し
http://www.terunobu-kinoshita.com/20081008-toushinou.pdf

──────────────────────────────────

1.日経平均先物、下げ幅1000円超

(出所)2008年10月8日付日経速報ニュースより

 ●歴代3位の21年ぶりの大幅下落
 ●過去に最も値を下げたブラックマンデーに次ぐほどの下落
 ●日本の金融株の下落は、厳しい事には変わりはないが、小さい

8日の東京株式市場で日経平均株価は5日続落。
大引けは前日比952円58銭(9.38%)安の9203円32銭と、
2003年6月30日以来、約5年3月ぶりの安値水準に落ち込んだ。
本日の下落率9.38%は、日経平均の歴代下落率ランキング(QUICK調べ)
によると、歴代3位の大きさ。
過去に最も下げたのはブラックマンデー(世界同時株価暴落)翌日の
1987年10月20日(14.90%)で、この時以来ほぼ21年ぶりの大幅な下落率となった。

日銀の白川方明総裁は8日、衆院予算委員会に出席し、日本経済について
「設備、雇用などの面で大きな過剰を抱えていないため、
海外発の要因で大きく落ち込むことはない」との認識を示した。
ここまで下がる必要は無いのだが、株式市場は無情だ。

前日の米株式相場が金融不安を背景に大幅安となったことを嫌気し、
全面安となった。
ただ、本日の株式市場では、金融株は厳しい事には変わりはないが、
平均株価ほど下落していない。
昨日の米株式市場は、1兆円増資と共に下方修正を発表した
バンカメの大幅下落に代表されるように、金融株が下落の中心だった。
しかし、日本は、輸出関連をはじめとした製造業の下落がキツかった。

呆然とするしかない日経平均株価の下落。
下値が見えない中では、積極的な買い姿勢を採る事も難しい。
しかし、風向きは、変わりつつある。
そう、公的資金による資本注入の動きだ。
次ページで詳細をお伝えするが、英国で公的資金投入が開始されようとしている。
かつて、日本でも、資本に対する公的資金投入が投資家の不安を徐々に取り除いた。
米国も、未曾有の金融危機に対し、日本でも起こったように、
しぶしぶ金融機関への公的資金投入を決めてくるだろう。
好材料には反応しにくいマーケットが続くが、
日本は世界に比べ相対的な安定感はある。不安になる必要はない。


2.英政府、公的資金を大手行に注入 最大9兆円規模で救済

(出所)2008年10月8日付日経速報ニュースより

 ●英政府が公的資金を大手行に注入
 ●資本増強が金融不安を解消するか
 ●注目は米政府が起こす行動

英政府は8日朝(日本時間同日午後)、銀行救済策を発表する。
昨年導入した新金融法に基づく枠組みで、
複数の大手銀行を対象として一斉に公的資金投入に乗り出す。
英メディアによると、総額は最大500億ポンド(約9兆円)達する見通し。

銀行の自己資本を増強し、市場の不安心理の沈静化を目指す。
金融危機への対応策としては、公的資金による不良資産買い取りを柱にした
米金融安定化法に次ぐ規模となる。
米国発の金融危機が飛び火する形で9月以降、
欧州でもフォルティスなど資金繰りが悪化した個別の銀行に
公的資金を投入する動きが相次いでいるが、
複数の大手行への公的資金投入に乗り出すのは初めて。

英国としては第二次大戦後、最大の銀行救済だが、
総額500億ポンドは2008年度の英国の公的借り入れの2倍以上に当たり、
政府財政の大幅悪化は避けられない見込みだ。
英メディアは救済策の対象に、資産規模で英銀最大手の
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のほか、
バークレイズ、ロイズTSBなどが含まれると伝えている。
政府が銀行の優先株を買い取る形で公的資金を注入し、部分的に国有化する。
銀行の自己資本を厚めに積み増すことで、資本不足の懸念を鎮め、
投資家や預金者などの不安を和らげる効果を狙う。

米では安定化法案が下院を通過したにも関わらず、
大きく値を下げた理由の一つに、
自己資本に対する公的資金投入が見込まれていない点にあると考えられる。
しかし、米国でも、公的資金投入の必要性が説かれているようだ。
日本でも当初は住専に対して6800億円の公的資金投入で
国民は大いに感情を害した。
しかし、結果として50兆円を超える資金が必要とされてしまった。
最後は、仕方が無いという雰囲気だった。それが結果的に、
金融不安を後退させ、株価を一時2倍以上に上昇させたわけだ。
米金融機関への公的資金投入という最後のカードが出されたとき、
棒下げをした株価は、稲妻を輝かせ上昇する可能性もある。


3.トヨタ、営業益4割減、今期見通し

(出所)2008年10月8日付日本経済新聞朝刊1面

 ●日の丸製造業トヨタ自動車が下方修正見込み
 ●北米一辺倒のツケに加え、新興国の落ち込みをカバーできず
 ●トヨタの復活こそが、日本の株価を押し上げる

トヨタ自動車の2009年3月期の連結業績は、
本業のもうけである営業利益(米国会計基準)が前期比約4割減の
1兆3,000億円前後になりそうだ。
米金融危機のあおりを受け、自動車需要が世界的に減少。
最大市場の北米で深刻な販売不振に陥っているほか、
欧州や新興国でも成長が鈍化している。

売上高は現計画の前期比5%減の25兆円を下回りそう。
営業利益は現計画の前期比3割減の1兆6,000億円を大きく下回り、
前期実績(2兆2,700億円)に対し1兆円程度の減益の公算。
9年ぶりの減益となる。
トヨタ自動車が業績を下方修正する可能性は、
8月より当メールマガジンや各種セミナーでもお伝えしてきた。
お聞きいただいている方にとっても納得だったと思う。

しかし、現実化してくると、投資家はまた再び疑心暗鬼になってくる。
さらに悪化するのではないか、という疑心暗鬼だ。
実にトヨタ自動車の株価は、株価純資産倍率で0.87倍になってしまった。
株価純資産倍率は1倍を割ると、解散価値を下回っていることになる。
分かりやすく言えば、いま会社を解散し、資産を全部現金化するだけでも、
投資家にリターンが戻ってくるというレベルだ。
つまり、かなり「割安」ということになる。

ただ、投資家はその数値ですら、さらに下があると考えているということになる。
今は、投資をしないことが最も高いリターを生んでいる。
もしくは、ギャンブルと割り切って投機を行なっているタイプもいるだろう。
しかし、ブラックマンデーも日本の金融危機も、直近ではITバブルも崩壊しても、
再び時が癒し、上昇基調に戻るタイミングがあったことを忘れてはいけない。
2003年から2007年前半まで続いた上昇相場のスタートである2003年は、
まさにりそなホールディングスが国有化された真っ暗闇のタイミングだった。
吐き気がするほどの下落だが、一旦吐き出した後は、気持ち悪さをこらえながら、
耐えて将来を見据えることこそが、投資家の精神力を高めることになると思う。


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■編集後記
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●不安心理

かなりの総悲観になってからの、これだけの下落。
少しでも光明を、と考えていた投資家にとっては、
立ち直れない下落に見えるかもしれません。

ただ、「株」という文字は、まさに切り株の株。
いくら森や林が燃え上がって消失してしまっても、株さえ残っていれば、
また再び青々とした木々が蘇ります。

株価は行くところまで下がります。まだ下がるかもしれません。
だからといって、この世が終わり、
という発想を持つ必要はまったくないと思います。

株価は浮き沈みするもの。
レバレッジでこの世を謳歌したマネーが、急激に逆回転を起こしています。
しかし、いずれ再び力強く盛り返すときがあるから
株式投資は人を惹き付けるのです。
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