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裁定売り残が過去最大に積みあがっている

昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -623.34 @25,628.90, NASDAQ -239.62 @7,751.77)。ドル円為替レートは105円台前半の先週末比大幅な円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が138に対して、下落銘柄数は1,979となった。騰落レシオは81.51%。東証1部の売買代金は1兆9844億円。

TOPIX -24 @1,478
日経平均 -450円 @20,261円

トランプ米大統領が8月23日に、中国の報復関税に対する対抗措置として中国製品に課している制裁関税を30%に引き上げるとの方針を示した。米中関税引き上げ合戦が激しくなるとの懸念が高まり、米国株式相場は大幅下落した。また、リスクオフ相場なので安全資産とされる円が買われて、1円以上の円高となった。これらを嫌気して、日経平均は一時、500円超下げた。しかし、人民元安が一服すると、円高もやや修正され、日本株に押し目買いが入り始めて切り返して下げ幅を縮小した。

新興国や欧州では相次ぐ利下げや財政出動による景気のテコ入れが入りそうである。欧米の新聞を読んだ印象では、財政出動には消極的だったドイツでさえ財政出動をしそうである。他方、わが国、日本を見ると、金融緩和余地は他国と比べて相対的に小さい。さらに、10月には消費増税が待っており、中長期的に需要を押し下げることは確実である。

需給面で見ると、裁定売り残が過去最大に積みあがっていることは注目に値する。直近の数字は1兆6293億円に膨れ上がり4週連続で過去最高を更新している。6月半ばから裁定買い残よりも裁定売り残の方が多い状態が続いている。https://karauri.net/saitei/

現物価格が先物理論価格と比べて割高になると、現物売り・先物買いの裁定取引(売り裁定)が行われる。反対に現物価格が先物理論価格よりも割安になると、現物買い・先物売り(買い裁定)が行われる。先物の割安感がなくなれば、裁定売り残は減少するはずだが、なかなかそうはなっていない。しかし、どこかで、何かをきっかけにして反対売買、つまり、売り裁定の解消買いが起こるはずである。現在、世界中で債券が買われて長期金利が急速に低下しているが、早晩、この動きは止まる。その時、債券売り、株買いの動きに急に変わるかもしれない。

日経平均の日足チャートを見ると、米国株式相場の大幅下落を受けて大きく下げたが、短陰線が下ひげを引いた形となり、20,300円前後にある下値支持線が辛うじて効いている。

33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、ガラス・土石(1位)、倉庫・運輸(2位)、その他製品(3位)、海運(4位)、金属製品(5位)となった。


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