日本ハムがオーストラリア生まれの「国産牛」を今春から販売へ

[TAROSSAさん]

日本ハムが、オーストラリア（豪州）で生まれた子牛を、日本に運び育てた上で「国産牛」と表示して、今年春から出荷するそうです。

国内で、生産から出荷まで行うよりも、価格を抑えて牛肉を販売するねらいのようです。

「国産牛」は、品種を表す「和牛」とは違い、産地を表す言葉で、消費者庁のルールでは、国内での飼育期間が海外より長ければ、「輸入牛」ではなく、「国産牛」と表示できるそうです。

日本ハムの場合、豪州で生まれた子牛を購入して、船で日本に輸送し、福岡県内の指定農場で、15〜16カ月ほど育てて太らせ、その後の処理も国内で行い、出荷するとのことです。

豪州では、日本産和牛の遺伝子を引き継ぐ「豪州Ｗａｇｙｕ（ワギュー）」と在来のアンガス牛を交配して生まれた子牛を調達し、日本では和牛に与えるエサと同等のエサを与えて肥育するそうです。

食肉利用を目的として改良してきた品種と乳牛との「交雑種」と比べれば、和牛に近い食肉になり、日本ハムは、赤身と脂身のバランスが取れた肉質を目指すとのことです。

農林水産省によると、国内の肉用子牛はここ数年上昇傾向にあり、高価格で売買されているそうです。

例えば最高級の黒毛和牛の場合、2018年10〜12月の子牛１頭の平均価格は78万1800円で、７年前から２倍近くになったそうです。

「食の安全」への関心の高まりから「『国産』の人気が高く、価格も高水準で維持されている」（農水省の担当者）とのことです。

豪州などでは大規模生産を行っており、一般的に生産効率が良いとされているそうです。

豪州である程度大きくなるまで育てられた子牛を購入するため、日本ハムの広報担当者は、「子牛の頃に死亡するリスクが少なくなり、安定供給につながる」とのことです。

このため、輸送や検疫に追加の費用が掛かっても、高騰する国内の子牛価格よりも安く調達できるようです。

海外で生まれた子牛を日本で育てるやり方は、これまでにも取られてきており、全国肉用牛振興基金協会の担当者は、「国内での肥育のやり方で肉質を高め、ほかの国産牛と差別化できるかが課題だ」と話しているそうです。

たしかに定義どおりなら「国産牛」ですね。

たぶん発売時にまた話題になるでしょうから、その時に食べ比べてみたいですね。

2282：4,595円