ほんま そうかいさんのブログ
平成相場三昧伝 外伝實録平成不倫録①
あはれ秋風よ
「志桜里(仮名)よ。夫婦は築き上げて行くものなのだぞ」
「女の道は、一ッ本道。母さんを見ろ。父に何度も裏切られながらも、いっぽん道をつらぬいたぢゃなひか。」
「大體(だひたひ)、お前が男を立てなひのが悪かとぢゃ。」
と進二郎クン(仮名)との離婚をちらつかせだした妹への説教。
厚生労働省認定・生涯未婚の兄貴の迫力のなひ説教。
本音を言ふと、もふ50路の出戻りは、困る。
妹夫婦は、俺殿(おいどん)より、10歳年下のカップル。
その原因の一つは、進二郎クンの、とみに最近、激しくなってきたケチンボ。ださふだ。
妹が言ふには、生活費のコマゴマしたところへ、クチバシを突っ込む。娘たちの、おこずかいにもレシートを出せとせまる。
ともかく貯金が大好きで、使わなひ。家でじっとしている。
いやいや最近では、娘たちには小遣い銭を貸し付けて、バイトさせて利息を取り立てゐる。
と一応は、妹の、いはば愚痴を聞き終えて、夫婦仲が冷えだした本当のワケを實(ぢつ)は、おいどんは知ってゐる。
それは、5年ほど前の妹の『不倫』。
これは、だふしやうもなかったのふ。
毎日毎日、午前様。ま、そりゃぁ、講師5人の塾の経営者をやってりゃ、多少夜が遅くなっても仕方がなひ。
でも小学生相手の塾だぞ。
いつ電話をしても、家にいなひと母が嘆く。進二郎クンは、毎朝、朝6時には出勤・登校するのになぁ。
やがて、進二郎クンは、妹の不倫を察して、ウツになって登校拒否になった。これが、幸ひに、うまーく夏休みにかぶさって、あまり周囲の注意は引かなかったみたひだ。
こんな妹には、進二郎クンのやふな元文学青年では、とても太刀打ちできぬ。ワハハ、と笑ってシラをきられるのがオチ。
結局、埒(らち)が明けたのは、進二郎クンの母。すなはち妹の姑。猛烈な叱責をうけたやふだ。
進二郎クンは、ママに代わりに叱って貰ったワケだ。
おかしひか。い~や、全然。
妹は、手ごわひ。
でもまぁ、そんなこっちゃ、塾経営がうまくいこう訳なし。
廃業近し。専業主婦、教師妻を続けて貰ふしかなひな。
ま、大体に於ひて、妻に浮気された旦那は、率直に言って、不良になるか、ダメおやじになるかである。
ま、その進二郎クンは、酒も飲まなきゃ、煙草も吸わぬ。
競馬やマージャンなんて、もってのほか。女ッ気ゼロ。
まじめな中学教諭である。しかも男子校。
その狂おしい吝嗇は、やはり5年前のことが、尾を引いてるみたひだ。
妹夫婦にかぎらず、同級生や職場でも、妻の不倫に泣かされた男は多し。男たちの慟哭を記さん。
平成の諸氏諸嬢の猛省を期して、他人のみそか事なれど、ここに平成不倫録をブログに残さん(不定期便)。