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今年IPO1号、世紀のビジネスモデルを分析

世紀

素材専門商社であるKISCOの子会社で、射出成形用ランナーレスシステムを製造販売している。かなりマニアックな単語だが拒絶反応を抑えて考えてみると意外と理解しやすい。

まず「射出成形」とは平たくいうと、液体状の金属や樹脂を金型に流し込んで冷まし、部品を作ることをいう。クッキーを作る際に完成形を可愛くするために型を使って固めるのと仕組みは同じ。
続いて「ランナー」。ランナーとは、金型内で部品を作った際にできる不必要なプラスチック部分のこと。プラモデルでいうところの、各パーツを囲む「L」←こんな感じのやつだ。

では本題。「射出成形用ランナーレスシステム」とは、射出成形の過程の段階で自動的にこのランナーを無くし、作りたい部品のみをきれいに成形するための合理化システムだ。
世紀が販売する製品区分はこのランナーレスシステムのほか、機器を制御する「コントローラー」、その他関連部品やメンテナンスサービスなどの「その他」に分けられる。

2017年3月期の売上高構成比は、ランナーレスシステム75.1%、コントローラー18.6%、その他6.3%。顧客業種別では、自動車関連57.0%、日用品関連13.1%、OA機器関連9.4%、医療機器関連8.0%、家電7.2%、電子部品2.5%。海外売上高比率は24.7%(中国10.3%)。主な販売先は親会社であるKISCOで24.1%。

製造業で働く人以外はなかなかイメージしにくい事業。要するに射出成形機をより便利にするためのオプション的付属品だ。顧客の工場が稼働すれば、設備投資が増えれば受注が増えるというビジネス。その点、サイクリカル(景気動向に業績が大きく左右される)の特性があると思われる。

これまで親会社以外の取引先を広げてこなかったせいかグローバル展開が進んでいない様子で、国内売上高比率が75.3%と高く海外での拡販余地があり業績の成長余地はある。上場後は海外拡販の戦略に注目と思われる。セクター的には地味な機械だが、株式市場では2018年初IPOということで注目は集まりそう。

金型関連は日本国内では斜陽産業で廃業が続き、海外に流れ出る代表産業。世界的に設備投資が拡大傾向にある中で、これまで海外での販売に消極的だった分、上場後は海外拡販に向けた投資をまず期待したい。
最大の取引先兼親会社であるKISCOが未上場でありその子会社である世紀が上場する構図で、利益相反などガバナンス面にでかいリスクはある。

なお、上場企業では厳密の意味での同業他社はなく、マルチプル倍率で比較するなら双葉電子工業などだろうが、その分精度は落ちる。
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