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金の価格にご用心

 
※「インフレになるから、今のうちに金(ゴールド)などで防衛を!」などの主張を見かけました。
 もちろんその考え方は否定はしません。(実際、私も小額ですが純金積立をやっています。)
 しかし、このようなリスク・懸念がある、という注意を知ってもらうために投稿します。

 

このまえ、金の動向を解説した。
https://minkabu.jp/blog/show/836047
(要は、価格の横ばいとインドの需要減にご用心ってこと)
今回はその詳細を。
 
金価格は今後、各国の需要に注目すべきた 
 
需要が減少、しかし供給は変わらず。
ならば必然的に在庫が増える。値下げ圧力になる。
無論、NY金を初めとする先物市場の価格も影響するが、
大幅な現物不足や供給過剰になったなら、最終的に現物市場の価格がモノを言う。
 
例えば、いくら先物価格が安いからって、実際の金の在庫がほとんど尽きてしまったらどうなるだろう?
電子部品などで金を使うメーカーは現物がなくては商売にならないし、
同じく宝飾品メーカーやショップも、
「金先物で金を買ったから、商品はしばらく待ってください。」
なんて、BAKAげたことをお客さんに言えるわけがない 
 
逆に、先物価格が高くても、金の現物があまりにあまっている場合はどうか。
 
供給側の鉱山会社も、売れないなら在庫を倉庫にいれておく必要があるし、
場合によっては生産も減らさなくてはならない。
先物価格がどうであれ、在庫がふえるならば、倉庫の管理費用はかさむ。
保存できるとはいえ、他の資源よりも警備費用がかさむだろう。
そうなると、価格を下げてでも在庫をへらそうとする。
 
無論、鉱山会社や金を消費する企業は先物でリスクヘッジはする。
先物も限月がくれば、現物をわたす義務が生じる。
しかし、たいていのトレーダーは現物なんて確保していないし、限月前に手仕舞いする。
もちろん先物市場で取引される額も大きいことから、
ある程度の現物不足や過剰なら在庫で吸収し、先物が価格決定要素にもなるが。
 
 
そんなこんなで、ポイントを二つあげると以下のとおり。
 
 インドの需要は今後どうなるか?
 →減ったままなら、在庫増。金価格も頭打ち、もしくは下降も。
 →2013年頃の水準に回復するなら、持ち直す可能性が出てくる。
 →2013年の需要より増えるなら、ふたたび価格上昇の可能性がある。
 
 インド以外の国で需要をリードする国が出てくるか?
 →中国や中東、ヨーロッパの国が需要をカバーするなら、価格維持や上昇の可能性も。
 →アメリカの需要は期待薄。利上げにより、金よりもドルを選ぶ可能性がある。
 
 
供給についてだが、供給が問題になってくる可能性はあまり高くない。
と言うのも、2010年から2016年にかけて、変動はあるものの大きな変化は起きていないからだ。
 
そして、プラチナやパラジウムと違って、供給する国が極端に偏ってるわけではない。
中国の供給量が他国より頭一つ多いが、それでも世界で占める割合は約14%。
なので、多数の国でストライキでも起きない限りは価格に影響を及ぼすことはなさそうだ。
 
もちろん金価格の下降が続き、生産コストを割り込むようになれば
鉱山が生産を縮小し、供給は減るだろう。
 
 
さて、大まかな金価格の変動要因は以上の通りだが、一つ忘れてはいけないことがある。
 
それは私たちの生活に密着していて、金価格に直接影響をおよぼすもの
…それは円だ。
 
金の供給過多が続き、価格が下がってきたとしても、
それ以上に日本でインフレ(→円の価格低下)が進んだから?
 
ドルなど外貨に対しては金は下がるが、
円で見ると金が上昇…なんてことも十分考えられる 
 
政府と日銀がインフレターゲット、言わばインフレ誘導政策を行っている。
アメリカは利上げを行っているが、ユーロもインフレ目標を掲げている。
需要だけでなく、インフレという通貨の問題も忘れてはならない。

 
 

2件のコメントがあります
  • イメージ
    美東さん
    2017/12/24 21:10
    こんばんは...

    >インド以外の国で需要をリードする国が出てくるか?
    ってことですが
    仮想通貨が「チューリップバブル」のように
    価格崩壊するようなことになれば、
    金(ゴールド)の価値が世界的に見直されると思います。
    あくまでも私見ですが...
  • イメージ
    美東さん、こんばんは。
    コメントありがとうございます。
     
    >仮想通貨が「チューリップバブル」のように
    >価格崩壊するようなことになれば、
    >金(ゴールド)の価値が世界的に見直されると思います。
    >あくまでも私見ですが...
     
    仮想通貨の急騰は、もはやマネーゲームの様相を呈していますよね。
    (ここが始まりか、中頃か、終わりごろなのかはさて置き。)
     
    さて、仮想通貨で最も規模が大きいのはビットコインですが、GSによると、時価総額は2750億ドル。
    対して金の市場規模は8兆3000億ドルだそうです。
    それらが全て金に向かえば、買い支えになるかもしれませんね。
     
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