クラレは、活性炭世界最大手の米カルゴンカーボン(ペンシルベニア州)を買収するそうです。
買収額は11億700万ドル(約1200億円)だそうです。
水処理や排ガスの不純物除去などに使われる活性炭は新興国を中心とするインフラ市場の拡大で一定の需要が見込め、化学業界ではダウ・デュポンの発足など寡占化が進んでいますが、クラレは隙間(ニッチ)市場で競争力を強化、生き残りを目指すようです。
カルゴンは米ニューヨーク証券取引所に上場しており、クラレは12月をめどに1株当たり21.5ドルで全株を取得し、完全子会社化するそうです。
カルゴンは石炭や木材由来の活性炭に強く、世界7カ国に生産拠点を持つ世界最大手で、2016年12月期の連結売上高は5億1400万ドル(565億円)、純利益は1300万ドル(14億3000万円)だそうです。
活性炭は水処理装置や石炭火力発電所の排ガス装置などに組み込まれ、不純物や窒素酸化物(NOx)などを取り除く機能があるそうです。
年160万トンの市場規模があり、高機能品は年率5~6%で成長しているそうです。
カルゴンはグローバルに幅広い顧客層を抱え、活性炭の販売だけでなく汚染水などの処理ノウハウも豊富に抱え、顧客への提案なども手掛けているそうです。
クラレはカルゴンの技術や販路を取り込み、水やエネルギーインフラなどの市場を開拓し、ニッチ市場でのトップを狙うようです。
日本の化学メーカーは規模追求や複合・総合化の道を選ばず、特定分野の技術を磨き市場を囲い込む戦略を押し進める企業が多く、東レや三菱ケミカルは炭素繊維、旭化成はリチウムイオン電池用のセパレーター(絶縁材)を強化するためここ数年M&Aに力を入れているようです。
化学産業の寡占化が進むなか、日本メーカーは競争軸をずらしながらグローバルな成長を目指すようです。
のれん代がけっこうかかりそうですね。
高い買い物にならないといいですね。
3405:2,100円、 3402:1,078.5円、 4188:1,060.5円、 3407:1,386円