書籍名:スタートアップ・バブル - 愚かな投資家と幼稚な起業家 -
著者:ダン・ライオンズ
定価:1800円+税
出版:講談社
私たち投資家は、投資対象の企業の内実を知ることはあまりない。
仮に知っていたとしても、知り合いがその企業に勤めているとか、
仕事の取引先で知っているなどの理由だろう。
(念のため言っておきますが、インサイダー取引にならないようにご注意を!)
まー、それはさておき。
アメリカのIT系企業に投資するなら。
いや投資する前に、この本を読んでおく事をおススメする。
有名な雑誌、Newsweekの記者だったがリストラされたベテラン社会人が、
なんと全く企業文化の異なるIT系ベンチャー企業、ハブスポットに転職した!
右も左も若者ばかり。
そしてナンセンスと思えるような設備と社員たちの行動。
読んでいると、
『おいおい、費用対効果って言葉を知っているの?』
『なぜ根本的な問題に着手しない!?』
と、思わずツッコミを入れてしまう。
一人の元社員から見た内幕であり、誇張も含んでいるかもしれない。
また、この会社が極端なだけで、他のアメリカIT企業はまともなのかもしれない。
(例えば、著者は利益をあまり上げないアマゾンの経営に疑問を呈している。
しかしアマゾンは現在、AWSによりクラウドでの地位を築こうとしている。
そのために、利益や資金は設備投資やR&Dに注がざるを得ない。)
しかし、書かれている事は事実も多く含んでいるのだろう。
そして、その様ないくつかの会社が社員を洗脳し、投資家を煙に撒き、
借金をたれ流しIPOに成功していると思えてならない。
被害にあうのは、洗脳され使い捨てられた社員であり、
上場後に株を買ってしまった一般投資家なのだ。
さて最後に、本書に出てくるウォール街の言い回しを紹介しよう。
「カモが鳴いたら、餌をやれ。」
私たちは一歩間違えばカモになってしまう。
それも、ネギをしょったカモだ。
そうならないために。
私たちは謙虚に知識を求め、情報を得なければならない。