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宗教学者が読み解く小説

宗教は今、物語のなかにある。

「死」「弱さ」「悪」「苦難」

四つのテーマで照らし出す、神も仏も見えない社会の宗教心。

 

★「宗教を物語でほどく ~アンデルセンから遠藤周作へ~」

  島薗進著 NHK出版新書 2016.8.10.第1刷

 

ばりばりな宗教学者である著者が、

文学批評家たちとは違った目線から古今東西の小説を読み解いている。

 

特にキリスト教社会において、

「神が死んだ」とばかり言われてている昨今、

なにか見えてこないだろうかと期待して読んでみた。

 

一方では、純粋すぎるほど「神を信じて」いる者たちの心を弄ぶかのようにして

利用・洗脳し、その活動に殉じさせる輩が実際に跡を絶たない。

 

この書籍では、主に前者の視点から小説を語っており、

後者の視点、つまり宗教の有する恐ろしさについては語ってはいない。

 

極端に言い換えると、

前者の視点は善玉、後者の視点は悪玉。

ところがこれは極端なのであって、

そーは簡単な話にならないから、この世は難しい。

 

PS:「死」「弱さ」「悪」「苦難」って、

   ほとんどこのまんま小説のプロットになると気がついた。

 

 

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