COTOSSAさんのブログ
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最高裁の抗告棄却
8月7日に最高裁はスティールパートナーズの抗告棄却。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070807163246.pdf
今回は高裁と異なって、スティールパートナーズが濫用的買収者であるという判断はされなかったので少し納得。
今朝の日経の3面にあるマトリックスはなかなか分かりやすくてまとまっているのでいい感じ。
論点3つは覚えておこう。。。
○株主平等の原則に反するか否か
○著しく不公正な方法か
○スティールは濫用的買収者か
しかしなんとなくあんまり100%腑に落ちた!という気分にはならないなぁ。
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結論的にはやっぱりなぁ、みたいな感じですね。
> 今回は高裁と異なって、スティールパートナーズが濫用的
> 買収者であるという判断はされなかったので少し納得。
でも明言は避けているだけで、判断内容的には、
さも濫用的買収者と言いたげな気がしました。
何にせよ、ニッポン放送の事件につづき、
注目すべき判例であることには間違いなさそうですね。
>でも明言は避けているだけで、判断内容的には、
>さも濫用的買収者と言いたげな気がしました。
その「明言を避ける」というのがミソなんでしょうかね。。。ありがちというか?
でも、明言されなかった事は高裁判決と異なってやはりポイントになりそうな気がしますよね。
でもやっぱり腑に落ちないなぁ。
課税面を考えると、やはり一部の株主にだけ課税が確定するような気が。なので、個人的には「時期を選択することが不可能になる」というのは、不平等だと思うんだけど。
ほんとに最高裁に「ありがち」な感じですよね。
>でも、明言されなかった事は高裁判決と異なって
>やはりポイントになりそうな気がしますよね。
仰るとおりだと思います。ただ、今回最高裁により
提示された具体的判断枠組みにおいて
濫用的買収者と認定することがどれだけの意味を持つのか、
ちょっと微妙な気がしないでもありません。
税法の観点からは考えていなかったですが、
たしかにスティールにとって現実的なデメリットが
発生してしまいますよね。でも、ここまでに
かけてきたお金よりもだいぶ儲かっているわけですから、
とりあえずは失敗ではないように思います。
最高裁としても、スティールは経営をしたいのではなく、
ファンドとして利益をあげたいのだから、買収者が
金銭的な損をしない今回の買収防衛策であれば、
まぁ良いのでは?という価値判断があったのではないかなぁ、、と。
でも、スティール自体が経営を行おうとしていたら
どうなっていたのでしょう?結論に違いが出てくるのか、
本判例の射程というのが非常に気になります。
それにしても、短期間でこのような防衛策を
編み出した西村ときわはすごいですね。
感服です。
コメントありがとうございます。いやー。勉強になりますね。
今朝の日経も6面は結構色々な声を拾った感じの内容でしたね。やはりこのネタの方が朝青龍ネタよりもよっぽど議論が面白いと思うのは私だけなのでしょうか(謎)。
因みに海外の関連記事。
□WSJ: http://online.wsj.com/article/SB118650754828890607.html?mod=sphere_wd
□FT: http://www.ft.com/cms/s/da45fc88-4500-11dc-82f5-0000779fd2ac.html
http://www.ft.com/cms/s/07f6d4da-4610-11dc-b359-0000779fd2ac.html
>濫用的買収者と認定することがどれだけの意味を持つのか、
うーん、そうですね。。少なくとも「濫用的買収者」という認定がされると、日本市場においての類似のinvestorsとしては手を出しにくくなるとも思いますし。
判断も難しそうですよね。
でもそもそも、その会社をつぶしちゃおう!と思って自分のお金が0円になるリスクをかけて投資する人はいないはずですからねぇ・・・
>最高裁としても、スティールは経営をしたいのではなく、
>ファンドとして利益をあげたいのだから、買収者が
>金銭的な損をしない今回の買収防衛策であれば、
>まぁ良いのでは?という価値判断があったのではないかな>ぁ、、と。
この辺、納得。って感じです。そう思うとやはり妥当、な結論だったのかも。。。です。
一つでも新たに疑問、、、株主って別に経営者になりたくて出資するわけではないと私は思っていますが(経営と資本の分離という事で)、では過半数を取りたいと思う株主=企業を実質的にコントロール可能である状況下における場合、彼らは皆が経営者になりたいと思って出資するのかしら。。と。
長期保有する安定的な人以外は会社というものを過半数以上保有してはなりません!とか言われてるような気もする。
>本判例の射程というのが非常に気になります。
ほんとですね。今後の類似事例が出た時にはきっと判例として参考にされる事は間違いないだろうと思うので、ある意味楽しみな感じ。
>それにしても、短期間でこのような防衛策を
>編み出した西村ときわはすごいですね。
>感服です。
全くです。どんな人達で構成されているんだろうー。と思ってしまいます。
学生時代とかは別に法学部でもなかった私は、具体的に有名な法律事務所の名前なんて全然知りませんでした。。。
法曹の人の中ではある程度「憧れ事務所」みたいな感じなんでしょうか・・・(興味)