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スイスイ論語(6) -君子は和して同ぜず-

5日の読売新聞夕刊(拡大すれば、記事が読めます)



 新聞記事は子供向けにやさしく書かれていますから、子供も理解できます。けれど、本当に論語が理解できるようになるのは、社会に出て色々な人間関係の中で揉まれてからではないかと思います。

 (このBlogの読者は年配者が多いので、諸橋先生の訳と解説が一番ピッタリくるのではないかと思って引用させてもらっています。)
 
 
君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。(子路第一三)

諸橋轍次先生の訳と解説です。
君子はいかなる場合にも人と相和合して事を執り行うが、人に雷同して事を行うことはない。小人の場合はこれと全く反対で、人に雷同して事を執り行うが、人と和合して事を行うということはない。

※同は、表面上、心を同じくするように見せかけることで、雷同の意。


 古典を味わって、世の中を眺めては、自分を顧みることは有益なことであり、また楽しいことでもありますね。

 スイスイ論語の安岡定子さんが記事で解説されているように、「君子」は「理想の人物」なので、今どきの政治家を論語の尺度で人物評価したらほとんどの人が落第なのではないでしょうか?

 上の言葉を味わっていると、よく似た筆法で孔子が言ったことばが論語の為政第二にある言葉を思い出しました。

君子は周して比せず。小人は比して周せず。(為政第二)

 これも諸橋先生の訳と解説で味わいたいと思います。
成徳の君子は、たれかれの差別なく、広く公平に人と交わって、決して偏頗な交わりをしない。これに反して、徳の修まらぬ小人は、偏頗な交わり方をして、広く公平に人と交わることが出来ない。

 それは君子は心公平で私がない。故にあまねく人と交際ができる。然るに、小人は私心を持っているから、自分の利害にかかわって、その交際もおのずから一方に偏したものとなるのだという。心の公と私とが、この相違をもたらすのだと…。


 隣国の大統領も米国の大統領候補者も、君子というにはほど遠い人物なので、論語の尺度で云々することは止めておきます。





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