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投資主体別売買動向からリカードの等価定理まで

素人のひとりごと日記です。


日記を書く時間があまりないので、思いつくままに書きます。
(正しくは信頼できる専門家へ)


○投資主体別売買動向


証券会社の方も必ずチェックされているところです。


直近、外国人は売っていますが、個人も2週連続売り越しているので、需給は良いかもしれません。信用取引の信用倍率も少しずつ低下しています。


政策当局者が株を上げたいのであれば


「個人の皆さん、信用取引で株をどんどん売ってください~」
「株の空売りに対して税の優遇措置も検討いたします~」


などと言って、個人に株の空売りを推奨した方が、日銀のETF買いよりも、株価の下支え効果はあるかもしれません。個人がたくさん空売りすれば、日本株式市場を支配している
大物ヘッジファンドは、日本の個人投資家に儲けさせるわけにはいかないので、徹底的に
踏み上げるからです。


もちろん、そのようなことはできませんが、個人の信用倍率はチェック項目だと思います。


○EミニS&P500


S&P500のPERは、かなり割高です。
普通に見れば、上値一杯とみることもできます。
しかし、株はバブル的に上昇することもあるので、どうなるでしょうか?


アメリカ株の需給の参考にするために、アセットマネジャーの
EミニS&P500のポジションをチェックすると


買い比率


9月13日 57.7%
9月06日  61.2%
8月30日 61.0%


8月30日まで買い比率が少しずつ上昇してきましたが、直近の数字を見ると
下がっています。(ここが70~80%になると危険信号)


今までNY株が比較的堅調だったのは、EミニS&P500の売り買い比率を見てもわかる
ように需給面も良かったこともあると思います。


もちろん、米国株の巨額の自社株買いも需給面では大きなプラス要因でした。


9月21日の日米の重要イベントの結果次第でどうなるかわかりません。


○中国


輸出入減少(相手方がいるのでごまかしがきかない)
過剰設備(鉄鋼の在庫だけを見ても、厳しい状況がわかる)


企業の債務残高が伸びている(ゾンビ企業がたくさんある)
不良債権化して、金融不安の恐れあり(上海総合指数の銀行株比率が高いことも注意)


ジニ係数(所得格差)の悪化


2015年、表向きの中国国家統計局の発表では、0.46と改善していますが
西南財経大学発表の0.717の統計の方が評価されている。
(大手銀行のリポートにも書かれている)
(中国政府の公式発表数値の0.46の方には、賄賂は含まれていません)


0.717の方が正しいとすると、中国での暴動はますます増える恐れがあります。


中国は、いずれ不良債権問題が表面化するでしょう。
しかし、いつ表面化するかわかりません。


○ドイツ銀行


ドイツ銀行、経営に再び影
米が巨額和解金要求 信認の回復遠く
(日経新聞 9月17日)


ドイツ銀行の問題を少し書くと


Volkswagen問題


ドイツVolkswagen(VW)社の排出ガス不正問題が収束を見せない。ブランドの毀損や
米国や日本における販売低迷、1100万台ものリコール費用が同社に重くのしかかる。
米国では、制裁金が2兆円とも5兆円とも噂されている上に集団訴訟まで起こされた 
VW社は、排出ガス浄化よりもコストを優先した結果、排出ガス不正問題を起こした
ようだ。


(参考:2016年3月日経テクノロジーより)


ドイツ銀行の重要な取引先がVolkswagen
昔、太陽神戸銀行(当時)の重要な取引先がダイエーだったことを思い出します。
現在、I社が当時のダイエーと同じようなことをしているので、少し心配です。


まだ先のことになると思いますが、いずれ金融緩和政策と財政出動の限界がきます。
そして、金融危機が再発し、悪いインフレから、悪い金利上昇になると
最初に、財務内容の悪い会社の経営が厳しくなるでしょう。


・・・


「VW、業績持ち直し」
「株主訴訟、経営リスクに」
(日経新聞 9月17日)


Volkswagen問題の関連記事が記載されています。


CoCo債(偶発転換社債:Contingent Convertible Bond)問題


欧州の銀行が資本増強のために発行している債券。通常の転換社債では、投資家が発行
企業の株価水準などを見ながら、株式に転換するか自由に判断できるのに対して、本債券は金融機関が一定の資本不足になると普通株に強制転換されたり、元本を削減されたりする点が大きく異なり、投資家のリスクが高い複雑な金融商品。


ドイツ銀行が発行したCoCo債も信用問題になっています。


ギリシャ問題


ギリシャの国外の銀行からの融資に対し、前年末時点でドイツの銀行が最も大きなエクスポージャーを抱えていたことが国際決済銀行(BIS)の公表した統計で明らかになった。
(2015年4月ロイター)


日経新聞の記事にも記載されているように、金融商品の不正販売の賠償金問題
含めドイツ銀行には、問題山積です。


ドイツ銀行のCDSは、定期的にチェックしてもよいでしょう。


○イタリア


イタリア銀行危機で「EUドミノ」始まるか


今年1月に始まったEUの銀行再生破綻処理指令(BRRD)では、国民の血税を銀行救済に用いることへの批判や、「銀行危機」と「財政危機」の負の連鎖を断ち切る目的もあり、公的資金を注入する前に、銀行の株主や債券保有者などが銀行負債の8%相当の損失負担(ベイルイン)を求められる。


だが、イタリアの銀行債は機関投資家だけでなく、多くの個人投資家が保有している。銀行がリスクの大きさを十分に説明せずに、預金者などに銀行債の購入を勧誘していたとされる。昨年末にイタリアの地銀の破綻処理を行った際には、新たな破綻処理ルールの開始に先駆けてベイルイン原則を適用したところ、巨額の損失を被った年金生活者が自ら命を絶つ悲劇を招いた。


個人投資家にベイルインを適用することは政治的に極めて困難な状況にある。


(2016年7月 第一生命経済研究所)


○反EU勢力の拡大


9月17日の日経新聞夕刊によると


「EU、信頼回復へ工程表」
「難民流入やテロ対策」


などとあります。


この記事を見ると、EUの問題も解決に向かっているように思えます。


専門家の言葉をマネすると


「ユーロ圏は、落ち着きを取り戻しつつある」


しかし、その数日前の9月9日、ギリシャのチプラス大統領が音頭をとって
南欧会議が開催されています。
(ギリシャが音頭をとること自体、おかしいと思います)


『ギリシャ、イタリア、フランス、ポルトガル、キプロス、マルタ、スペインのEUの
南欧7カ国の首脳は9月9日、アテネで初の南欧諸国会議を開いた。
旗振り役のギリシャのチプラス首相は開会に当たり、参加国は「経済危機と難民危機で不公正な打撃を受け、移民流入の圧力を受け、不安定な中東・北アフリカ諸国に隣接している」と指摘した。


会議は、難民・移民問題や失業、安全保障など南欧が苦しむ課題について提言をまとめ、
EUに一層の対応を求めることで一致し、「アテネ宣言」を採択した。』


などとあります。


ドイツの緊縮政策への反対意見が議論されたようです。
将来、EUは分裂する可能性があります。
専門家は、そうなったときに「南欧会議」の意味がわかるのでしょうか?


反EUの勢力が強くなってきているため

ジム・ロジャーズが警鐘するように、いずれ、ユーロ圏は崩壊し、大混乱するでしょう。


「マスコミで報道されるのは、何もかも終わってからです。」


先日、IoTビジネスの件で、ある上場企業の支店長とお話しをする機会がありました。


マスコミについて、同じことを言っていました。


「IoTについてマスコミでも報道されていますが、内容的には、もう終わった話ですよ」
「現場では、もっとすすんでいるので、ついていくのが大変です」


○FOMC


今のところ、利上げはない可能性が高いと言われています。


仮に利上げしたとしても、次の利上げまでは相当時間をかけるか
次の利上げが困難になるでしょう。


FOMCの中の、ハト派の代表が、国際担当財務次官の経験もある
ラエル・ブレイナード理事(女性の理事。美人?と言われている)
(クリントン氏が大統領になれば、財務長官の候補に名前が挙がっている)


ブレイナード理事は、FRBが昨年12月に利上げしたときも、反対でしたが
FRBは、全員一致にしたかったため、ブレイナード理事も賛成したことになっています。
本当は、最初の利上げのときも反対だった。


今は、ブレイナード理事の意見が正しかったとして、他の理事も利上げに慎重です。
自然利子率が下げってきていることも利上げに慎重な理由のひとつになっています。


もっとも、FRBは利上げしたいところでしょう。しかし、なかなかできない。
ジャクソンホールのイエレン議長の講演にもそのヒントがあります。


○ジャクソンホール


8月26日にFRBのイエレン議長は、ジャクソンホールで講演しました。


マスコミでは、


「FRBが目標とする最大雇用と物価安定に米経済は近づいているので
利上げへの論拠が強まってきたと述べた」と報道されました。


この内容だけだと普通NYダウは下落します。
しかし、NYダウは下落するどころか、9月6日まで比較的堅調な動きをしました。


ジャクソンホールでは、アメリカが景気後退期に入ったときのことが議論されました。


イエレン議長は、ジャクソンホールでの講演で、アメリカが景気後退に入った時に
FBRは何ができるかについても述べています。


仮にアメリカが景気後退に入ったら(景気循環からも、景気後退に入る可能性が高い)
どうするのかについて、QE(ドルのばらまきをする)は有効との見解を示しています。


『イエレン議長はアメリカ経済のダウンサイドリスクにも言及していた。生産性や経済成長率が世界的に低迷し、消費者がお金を使わずに貯蓄率が高まるような状況になれば利上げを継続することは難しいとし、アメリカ経済がリセッションに陥るような状況になれば、Fedは「量的緩和を再開し、経済が回復するまで政策金利を低位のまま抑えておく意向を表明することが出来る」と主張した』


将来のQE4の予告ともとれます。
(このあたりは重要なので、マスコミでは報道されない)


この点も考えると、イエレン議長のジャクソンホール講演後に
アメリカ株が下落しなかったことは理解できます。


○日本銀行の暴走


日銀の金融緩和政策により、
日銀の国債保有額は年末には420兆円になります。
そして来年には、500兆円になります!


国債の半分を日銀が保有することになります。


異常事態です。
(黒田総裁も、財政再建しないと日本国債も安全ではないと警鐘しています。)


本当は、日本人もビックリしないといけない状況ですが、おかかえ学者や専門家の話を
鵜呑みにしてしまうので危機感を持つこともできない。


異次元金融緩和とマイナス金利政策で国債価格はさらに上昇し、円高もプラスになって
短期で日本国債を大量に保有していた外国人は大儲けしました。


頭脳明晰なゴールドマン・サックスは、その儲けたお金でアメリカ株や新興国の
リスク資産を買ったので、それらのリスク資産の価格が上昇した面もあります。

(日本人の気づかないところで、ゴールドマン・サックスは大儲けしています。)


損するのは、日本国債を高値掴みしている日銀と、将来信用のなくなる日本銀行券を

直接的間接的に保有している日本人になります。


ゴールドマン・サックスは逃げ足も速いので、注意すべきでしょう。


○リカードの等価定理


異次元金融政策の限界が見えてきたので、財政出動でカバーしようとする意見もあります。


しかし、これも限界があります。


リカードの等価定理によると将来の増税をしないと約束しなければ
公共投資をやればやるほど一般庶民は節約することになります。


リカードの等価定理
Ricardian equivalence theorem


政府が景気を刺激するために減税し、この減税に必要な資金を国債発行することによって賄うとする。 


しかしこの時、もし家計が、将来政府が国債を償還する時に増税することを予想するならば、家計は現在の減税分を消費に回すことなく将来の増税に備えて退蔵するだけであり、結局、減税は何ら景気を刺激する効果を持たないことになる。 


このように、家計が国債の発行が将来の増税を意味することを正確に予測する場合には、
減税の財源を国債から調達した場合と直接税金から調達した場合とは、全く同じ結果を
もたらす。


この命題を、英国の経済学者デビッド・リカードにちなんでリカードの等価定理と言います。


・・・


国民は、国債の利払いと償還の負担を将来世代に転嫁できず
自らに増税が降りかかることを悟ります。


最終的に、財政赤字の拡大は、個人消費を抑制し
政府への信認が低下することになります。


政策対応の限界が見えてきたとき、悪いインフレが表面化してくるでしょう。
日本の対外純資産を売却すれば、短期的には円高になります。
(将来、日本の対外純資産が大きく減りだしたら、要注意です!)


その後、悪性の円安になるでしょう。
ドルやユーロに対してどうなるかわかりませんが、円建て金価格は上昇します。


吉田繁治氏の著書にも書かれているように、金を保有することは資産の防衛のひとつの
選択肢になります。「金買い取ります店」で金を売っている場合ではないかもしれません。


今、金融の世界で起きていることを正しく理解している企業にとっては
将来、競争相手が倒れていくので、ピンチがチャンスになるかもしれません。


・・・


マーケット予想について


ファンダメンタルズは悪化していますが、需給面は悪くないので微妙なところです。
日米の金融政策の内容とその後のマーケットの反応を見てから、考えたいと思います。



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