どうやら中共が追い詰められているようです

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2016/05/02 - 衣雲さんの株式ブログ。タイトル:「どうやら中共が追い詰められているようです」 本文:

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どうやら中共が追い詰められているようです

衣雲さん
衣雲さん
 岸田外相の訪中は対中外交上何の役にも立たなかったという評価がされてますが、どうやら今の中共がどういう状態なのか再確認するという意味では役立ったようです。一昨日・昨日と王毅外交部長の日本国政府に対する「4つの要求」が小さく報道されています。

1.歴史を反省し台湾を切り捨てろ
2.中共に都合の悪い論を広めるな
3.中国が日本経済にとって重要だと認めろ
4.中国の海洋侵出を支持しろ

 先日のG7広島外相会合に激昂した中共を伊勢志摩の前に宥めておこうと思って、外務省の方から中共に頼み込んで岸田さんを送り込んだわけですが…結果として、4時間ネチネチと恫喝されるという反応をされ、通例の歓迎晩さん会はおろか共同記者会見すらせずに追い返すという、近代国家としてはちょっと考えられない様な前近代的対応だったようです。日本国政府としては口ポカーンでしょう。
 中共はもっと強かな外交プレイヤーだと思っていたのですが、ほぼ頭がおかしくなったとしか思えません…ただ、こういった発言は正面から見てはいけません。王毅さんの背中越しに見れば、今の中共がどんな状態なのかがわかります。

1.台湾で蔡英文さんが大勝したことに焦っている
2.中共が国際的にも国内的にも孤立しつつあり焦っている
3.国際金融経済での中国の重要度が低下し焦っている
4.南侵をオバマさんに批難されて焦っている

 まず台湾に対してですが、馬英九さんのときは、少なくとも政治は中国の思い通りになっていたのですが、今回の蔡英文さんの大勝はそれに「ノー」を突きつけたことになります。実際には2014年の学生立てこもりのときに「ノー」は突きつけられていたのですが、前回同様に執拗な選挙妨害で乗りきれると思ったんでしょうね。彼らにとって一番の懸念は、今の台湾の雰囲気が中国国内まで波及しないかということでしょう。

 次に国際的・国内的な中共の孤立ですが、「中国脅威論」と「中国経済衰退論」という真逆の論はいずれも中共にとって都合が悪いと具体的に言ってます。これは、中国が脅威であることがバレてしまうと困るし、衰退してることもバレては困る、と言ってるに等しい発言です。日本国政府としては中国脅威論は国際社会に喧伝してきましたが、中国経済衰退論についてはそれほど重視してなかったので(宮崎正弘さん等の安倍さん周辺の一部保守系言論人は声高に唱えてますが)、相当驚いたのではないでしょうか。それだけ中共内部では「中国経済衰退論」に対して警戒していることが伺えます。

 そこで中国経済の国際的重要度につながるわけですが、もはや家計は火の車で、アジアインフラ投資銀行も失敗しつつあり、これまで中国に媚び諂ってきた国々がソッポを向き始めているのでしょう。また、経済が傾くと国内的にも批判が大きくなるため、中共の体制維持にも黄色信号が灯ります。だからこそ経済力を軍事力(特に海軍)で補おうと考えている習近平一派に対して、軍事脅威論で孤立する方が危険だと考える鄧小平の系統の人たちがいて、今の中共は手足がチグハグに動いているんですね。…まあそういった内部矛盾は中共にとって「日常風景」ではありますが。

 スプラトリー諸島などへの南侵をオバマさんにかなり強く非難・批判されたのは中共にとっては意外だったらしく、それに対して中共側は非常に強い口調で反論(恫喝)しています。これでオバマさんの中国に対する印象は完全に損なわれてしまったわけです…そういったことも中国経済に少なからざる影響を与えているかもしれません。
 つい最近までこの世の春を謳歌していた中国は、このところこんな感じで焦りからくる外交上のミスを次々と犯しています。忘年会で「3年で世界一」と壮語していたライブドアが年明け早々に吹っ飛んでしまったライブドア・ショックみたいなことにならなければいいのですが。

6件のコメントがあります
1~6件 / 全6件
衣雲さん
> ピーマンショックさん

他国と敵対しないというのは大人の国ならアタリマエのことなので、少し成熟したということでしょうかねえ…国民の成長が政府の成長より速いみたいだから、反日扇動によるリスクがメリットを上回ってしまったということだとは思いますが…

> 人事刷新して、新しい体制作らないとダメなように思います。
> ただ、国営のゾンビ企業はソフトランディングさせないと日本など
> まわりの国にも大きな影響があるのでうまくやって欲しいと思います。

胡錦濤さんの後で李克強さんが国家主席になってれば中国の近代化が10年早かったと思うのですが…残念ながら鄧小平の系統の人たちはみんな忍耐強いので…健康不安の言われていた習近平さんより先に死んじゃいそうです。

> アメリカが頼りにならないなら、台湾にたよるしかないのでしょうかね。

その台湾も最近中国のお零れによるバブルで浮かれてて、しかも土地バブルがもう弾けはじめてるますね。蔡英文さんへの期待はそういった親中派の人たちに対する反発と、後ろで応援している李登輝さんを待望しているということなんですが…馬英九さんの8年で台湾も10年戻っちゃった感じで、しかもその間に李登輝さんも8歳をとってしまったので…ただ、4年前に蔡英文さんが総統になってても誰も聞く耳を持たなかったかもしれないし、彼女にとってはいい時期に総統になったかもしれません。

> 中国、個人的にはしばらく近寄りたくないですね。
> 日本企業はどんどん撤退してますが、正解だと思います。

日本企業も数年前から着々と、少しずつ撤退は進めてて、ここにきてその効果が現れてるといった感じです。本当は人件費の高騰と労働者の劣化がハッキリしてきた時点ですぐに全部撤退したかったのですが、企業経営というのはそう簡単じゃない部分があるらしくて…日本企業は言われてるほどバカではないので、しばらく中国には近づかないで東南・南アジアに集中するんじゃないかなと思いますね。
こんにちは。

外交には表と裏がありますから、マスコミ報道だけみてて判断するのは難しい
ですが、最近中国も韓国も日本が、日本がと言わなくなったのは、何か怪しい
ものを感じています。

中国は、北朝鮮暴走を阻止できない面でもアメリカからかなり突っ込まれている
のでしょうね。・・
韓国は経済特区からの撤収決めましたよね。

表立ってあまり出てきませんが、習近平体制にほころびができて、経済も事実上
破たんしているので、習近平氏八方ふさがりになってきているように思います。
人事刷新して、新しい体制作らないとダメなように思います。
ただ、国営のゾンビ企業はソフトランディングさせないと日本などまわりの国
にも大きな影響があるのでうまくやって欲しいと思います。
アメリカが頼りにならないなら、台湾にたよるしかないのでしょうかね。
中国、個人的にはしばらく近寄りたくないですね。
日本企業はどんどん撤退してますが、正解だと思います。




衣雲さん
> ほんまそうかいさん

そんな目に合わされてたんですねー
その「軋み」のほとんどは習近平体制の綻びですが、アメリカは中共が生き残ることを容認しているので、大局的には「一時的な軋み」ととらえるべきなのかもしれませんね。先の宮崎正弘さんなんかな小躍りしながら中共の終焉を喧伝してますが…
私個人としては、中共でも新政府でもどっちでもいいので、中国が国際社会の一員としてちゃんとした「大人の国」になって相応の責任をはたしてほしいです。政府はあんな感じでごちゃごちゃしてますが、国民一人ひとりは(ダンボールから肉まんを作ったり下水から食用油を作るような困った人も一部いますが)勤勉で、節度もあり、活力と希望にあふれている人が多いはずなので…
 様々な問題が噴出しているのも、中国が「法治国家」ではないからというのが大きいと思います。たとえば欧米の企業経営者オーソドックスな考え方は「法律の範囲内で最大限にズルい商売をするのが賢い」というものですが、中国の場合はその法律の部分がグラグラしてるから「裏金が許す範囲内で最大限にズルい商売をする」と考えてしまいます。本来「法規制」はこういったズルい商売を制限して真っ当な商売を保護するために存在するのですが、中国の場合は逆にズルい商売の方裏金で保護されてしまうから…あんな感じでいろんな問題が噴出しちゃってるんですね。

衣雲さん。

岸田外相は、中國でそんな目に合わされていたのですか。

小生は、チャイナ・ウォッチャーには、ほど遠いですけど、YAHOOニュースなどでたまに、いや良く聞こえる中国の、いはば軋み音には驚かされることが多いです。

①習近平発言「日本兵は、戦時中、従軍慰安婦を食べた。」なにを証拠に!

いくら反日が国策でも、国家主席が陣頭に立って、国際社会でウソをつくの図。

②いやその近習平にしても、新華社は、「最高責任者」と伝えるべきを「最終責任者」と誤報?しています。そうなるかも・・・・・。

③その岸田外相への恫喝。むかし水爆開発に成功したときも台湾に対する中共の恫喝も物凄かったようですけど、いままた、おひとり、やれ東京、大阪、京都を火の海にすると、のたもうた御仁がいますけど、金正恩。

中國共産党と朝鮮労働党は同質isotopeであるなぁ、といつも思います。

④天津市をはじめとする謎の爆発。よく耳にするインフラの倒壊。

これで、まともな産業活動は、ムリ。

⑤パナマ文書。近習平の名前(いや親族だったかも??未確認)がある!

私有財産の禁止が、共産主義の眼目では?


中国共産党の余命は、もういくばくもないような・・・。それにしても、むかし福沢諭吉翁が「脱亜入欧」といった訳が、よく分かるような気がしています。 拝

衣雲さん
> 青海まさるさん

 元をたどると田中角栄さんに端を発する問題だと思います。いろいろ批判はありますが、少なくとも戦後佐藤栄作さんの時代まで日本はアメリカにとって「信頼できるパートナーになるかもしれない」と思ってたのが、角栄さんが以降「こんな国とはとてもじゃないが秘密は共有できない」という評価になってしまいました。その結果、キッシンジャーさんは対日重視路線を対中偏重路線に変更し、キッシンジャーの弟子であるスーザン・ライスも当然対中重視でここまできてました。ちゃんとアメリカとのパートナーシップを構築できていれば、ここまでの対中偏重は無かったか、あるいは少なくとも米中間に存在する(と、少なくともピルズベリーさんが言ってる)密約が日本の感知するところとなったんじゃと思うわけです。

 ただし、その米中関係にそろそろ翳りが見えてきているんじゃないかな、というのが今回の日記での衣雲の意見です。私の予想では、恐らく習近平がオバマに激昂したのは「約束が違うじゃないか!!」ということで、これに対してアメリカ政府としては「鄧小平路線ならいいけど、習近平路線の中国は要らないよ」ということなんじゃないかなと思います。
中共がアメリカを情報戦でうまく手玉に取り、
大量の資金と情報を無償で得てきたことは、
アメリカのパンダハガー(バンダを抱く人・親中派)の大物で元CIA高官・マイケル・ピルズベリーさんの本「China 2049・世界覇権100年戦略」に詳しく書かれていて興味深かったです。
日本人からするといろいろ不思議だったアメリカの中国対応の秘密が分かりよかったです。
とくに「か弱き花 中国」としての戦略を棄てたあたりがターニングポイントでしたね。
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