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「日本を買う理由がないよ」(3)

ちょっと日が経ってしまいましたが「日本を買う理由がないよ」(2)の続き。

 1.地政学リスクがある(中国の動きが最近アヤシイ)
 2.成長のビジョンが見えない(もはやソニーやホンダは生まれない)
 3.不正会計やその後の処理などの不透明性(東芝…)
 4.震災後の資源戦略の足かせ(暴落前に資源投資をしてしまっている)
 5.基幹産業の抱える「円高の爆弾」(ちょっと円高に振れただけでトヨタも…)
 6.金融緩和策の行き詰まり(全くデフレ脱却の目処が立たない)
 7.日本人の国民性に対する疑念(言われてるほど勤勉ではない)
 8.ガイジン投資家の日本売り(5兆円とも10兆円とも…)

 次に5.「円高爆弾」について。これはべつに日本だけが抱える問題ではないのですが、ニクソン・ショック以後のアメリカは日本を都合の良い「貯金箱」として近隣窮乏化政策をとってきたので、アメリカの失業率が上がってきたら円高ドル安に舵を切るという他の国とは異なる面倒な問題があります。この数年は韓国が調子良かったため、韓国を一時的な「貯金箱」として使ってたんですが…当然、あんな小さい貯金箱じゃ役にも立つわけもなく…。しかもアメリカが政策金利引き上げに入った去年末以降は、明らかに2012年以降の円安容認とはアメリカの態度が違ってきてます。まだドル円レートにして80円まであと30円分くらいまでは貯金があるので、「アメリカはこの30円を上手く使いながら政策金利を上げていくんだ…」という認識でいた方がいいかもしれません。当然、貯金を全て使い切るなんてバカなことはしないはずなのですが…相手がヒラリーさんならやりかねないのでちょっと不安です…

 6.は5.との絡みもあるのですが、黒田金融緩和は完全に行き詰まってしまってます。本来は中国の調子がよかった2014年までにデフレを脱却して、まだ消費意欲が強かった2015年には中国に問題を全て押し付けなければいけなかったのですが、明らかな緩和不足でした。結果、2016年に入ると中国の消費意欲は完全に冷えきってしまい(百貨店やラオックスの業績が完全に壊滅状態なのを見てもわかると思います)問題を押し付けることが難しい時期に入ってしまいました。しかもその苛立ちが先日述べた習近平の常軌を逸した行動を引き起こして地政学リスクまで撒き散らしてしまう始末で…。彼が言うには「正直なところ、日本の緩和の中途半端さには失望した」ということでしたが、ここからは5.の通りアメリカの顔色を見ながらということになってしまい、思い切った緩和は更に難しくなってきているという見られ方をしているわけです。

(次が「日本を買う理由がないよ」のラストです)
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