「日本を買う理由がないよ」(2)

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2016/04/16 - 衣雲さんの株式ブログ。タイトル:「「日本を買う理由がないよ」(2)」 本文: さて、前回の続きです。 1.地政学リスクがある(中国の動きが最近アヤシイ) 2.成長のビジョンが見えない(もはやソニーやホンダは生まれない) 3.不正会計やその後の処理などの不透明性(東芝…)

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「日本を買う理由がないよ」(2)

衣雲さん
衣雲さん
 さて、前回の続きです。

 1.地政学リスクがある(中国の動きが最近アヤシイ)
 2.成長のビジョンが見えない(もはやソニーやホンダは生まれない)
 3.不正会計やその後の処理などの不透明性(東芝…)
 4.震災後の資源戦略の足かせ(暴落前に資源投資をしてしまっている)
 5.基幹産業の抱える「円高の爆弾」(ちょっと円高に振れただけでトヨタも…)
 6.金融緩和策の行き詰まり(全くデフレ脱却の目処が立たない)
 7.日本人の国民性に対する疑念(言われてるほど勤勉ではない)
 8.ガイジン投資家の日本売り(5兆円とも10兆円とも…)

 「不正会計」の問題。1990年代くらいまで「日本の会計基準は企業実態を正しく表してないんじゃ?」という不信感があり、2000年代に入って会計制度改革が進められてきました。それまでは今の日本人が上海市場を見るような目で日本は海外から見られていたわけです。…が、実際のところは「今でもあんまり信用されてないよ」とバッサリ。そんな中で起こったのが東芝の件。エンロンを超える様な粉飾で一体どうなるかとみんな固唾を呑んで見守ってましたが、どうやら市場から退場を命じられる気配はなく「一体この国はどうなってるんだ?」と。罰則だってアメリカのSOX法なら20年以下の禁錮+5億円以下の罰金のところを、日本のJ-SOX法では5年以下の懲役または500万円以下の罰金と、「遣り得」という言葉がピッタリの軽い罰則で、これじゃあ投資家から巨額のお金を預かっているという意識は皆無と思われても仕方がありません。それに、ライブドア事件とも比較して「日本は儒教の国だから年寄りを大事にする」と…あの、日本は儒教の国じゃないんですが…

 4番目についてですが、震災後に原発を止めたことは仕方がないとして、その頃高かったエネルギー資源を「安定供給」と称して高値掴みして、これが下落期の今になって巨額の赤字を出し始めています。エネルギー資源の下落は本当にひどい状態です。石油にせよ石炭にせよ底を打ったとも言われてますがまだまだわからない状態です。実際つい数日前には米資源大手のPeabody Energyの破綻が伝えられましたし、日本国内だってこれから資源商社の巨額赤字が噴出する可能性もあります。これに対して中国はしたたかというか、持久戦に持ち込んで投げ売りされた開発資源を安く買い叩く気満々なので、これをアメリカなんかはすごく警戒してるんですが…日本ではまだそういった警戒感が全く無いようです。

(まだまだつづく)
4件のコメントがあります
1~4件 / 全4件
衣雲さん
> ピーマンショックさん

そうなんですよね。長期的に見れば海外投資家の頻繁な売り買いはノイズで、単純にそれぞれの企業の「価値創造能力」に株価が近づいていくはずなのですが…だから「安いと思ったら買う」「買って安くなったら更に買う」でいいとは思うんですが…。特にファーストリテイリング、ファナック、トヨタみたいに日経平均との連動が強い銘柄は「とりあえず日本は売っておこう(買っておこう)」という外人の意図がそのまま株価に反映するので、確かに本来の企業価値と株価との乖離が大きくなりやすいですよね。

こんばんは。

やっぱり外人さんのお話だったんですね。
なんかもの見方が日本人っぽくないなって思っておりました。

ただ日本の市場、6割以上も外人の売買ですから外人の見方を理解してトレード
に臨まないと勝てませんね。
(私もここ数年でやっとこの感覚が分かってきました。)


そうだからここのところ外人の動きが読めなくって日経の方向性が出ないので
本気でトレードしようとは思えません。
いい加減下げているのでもう戻してもいいとおもうのですが方向感出ませんね。

ファーストリテイリングやファナック、トヨタあたりの下げかたみると、
相当売り込まれてます、本格的な反転はいつになるのやら?


衣雲さん
> ピーマンショックさん
ご慧眼にはいつも頭が下がります。
私自身「投資家の意見はいつもポジショントーク」くらいに思ってるので、これらも耳にした意見(=「ポジショントーク」)のひとつです。そしてその人の話を聞けばどういったポジションなのかも透けて見えるわけですが…

> 「独特の性悪説的観点」

結局これですよね!日本人を見る時も同じで、当然その観点で疑ってかかるわけです。だから、投資家自身もその性悪説的観点から日本を買うか売るかを判断して、今は「売り」と判断しているといえます。

> 東芝の例は異例中の異例

なのですが、日本を代表する企業だからかそういう見方をしてはおらず、「そういったことが許容される土壌があるんじゃ?」と思う人もいるみたいです。やはり「罰則が緩い」ということに違和感があるみたいで…なんでトーシバやトーデンは退場を命じられないんだ?みたいな感じで。

> 会計監査で暴くのは相当難しかった

実際のところ、それでも新日本監査法人は厳しい立場に追い込まれて、エンロンのときのアーサーアンダーセンみたいに解散しそうな感じですね。

> 一方欧米では、日常茶飯事不正は行われているようなので、大きな不正発覚でエンロンのように破たんになることも結構あります。
> この経理、会計監査に関しては監査報酬みても違いが分かると思います。

会計事務所の仕事とその重み(良くも悪くも)が日本とは全く違いますからね。

> 労働を悪、罪ととらえて生き方を教えられてきた人と、労働は美徳と教えられてきた人とでは企業人として働くにも大きな違いがあることを
> となると、欧米の物差しで日本の企業を測るような考え方はいかがかなと思います。

そこで問題なのは、ガイジン売りの本気度ですよね。
結局国内の人間が日本人と日本企業をどう思っているかにかかわらず、彼らは彼らの価値観に基づく判断で売り買いを判断してしまうので。もちろん無限に売ってくるわけではなく、当然安いと思えば買う、高いと思ったら売るということなので、海外の投資家さんたちのポジション外しが落ち着けば相場ももうちょっと安定してくるはずですが。

> 1.8番あたりはなんとなく同意できますが、7番は明らかに外人の日本人に対する
> やっかみでしかないと思われます。

これについては、いろんな意見があると思います。その昔キッシンジャーさんなんかが「政治や産業は変わっても国民性はなかなか変わらない」と言ってた通り「日本人は今でも勤勉」と思ってる人が多いですが、日本の「貧困化」を目の当たりにして「もう日本人は勤勉ではないのでは?」と考えている人もいます。ただ、その「日本人は勤勉」をどこと比べるかにもよるのは事実で…「日本のブルーカラーは海外の大多数のブルーカラーより勤勉」といえば、そうかなと思いますが、「日本のホワイトカラーはアメリカのホワイトカラーよりも勤勉」かと言われると、必ずしもそうともいえないので…結局日本の生産性が上がらない理由の一端はそこにあるのかなと思ったりもします。(※もちろん西欧諸国と比較して日本の生産性が必ずしも低いとは思いませんが)

> 日本の一般庶民の学力は世界いちだと思います。まだアメリカや中国インドあた
りでは文盲率高いです。

日本の構造のどこが脆いかですよね。恐らく「一般庶民」の部分に問題があるわけじゃないんだと思います。日本の義務教育+高校教育の水準は非常に高いのですが、高等教育の水準が高いかと言われると…そこはかなり微妙です。

> 衣雲さんのこの意見は外人さんの意見かななどとおもったりもしますが、?

そうです。ガイジンさんのポジショントークです笑
が、目の前に不穏な空気が蔓延しており、そこから目をそらすわけにもいかないのも事実で…まあ耳に痛い部分も相手の認識不足の部分もありましたが一通り書いてみている感じです。
こんにちは。

こんな意見もあるのかと興味深く読ませてもらいました。
衣雲さんご自身の意見とは、少し違うのではないのでしょうか。

ちょっと気になったことについて書かせていただきたいと思います。

> 「不正会計」の問題。1990年代くらいまで「日本の会計基準は企業実態を正しく表してないんじゃ?」という不信感があり、2000年代に入って会計制度改革が進められてきました。それまでは今の日本人が上海市場を見るような目で日本は海外から見られていたわけです。…

これはどうかと思います。欧米の会計監査の制度は独特の性悪説的観点から作ら
れているもので、基本的に帳簿からズルや不正が頻発しておりそれを是正する
ために会計監査人制度が作られております。
エンロンやフォルクスワーゲンの事件の例をみてもやり得感満載で見つかったら
チェッ見つかっちゃったって感じで見つけられ損のような感覚です、彼らは。
一方日本企業は会計監査の制度は欧米型マネジメント制度の導入で仕方なくとり
いれたものの、もともと性善説で経営をしている日本企業にとって会計監査は
あまり必要ないものと思われております、東芝の例は異例中の異例です、三代
にも亘って社長自ら不正に加担していたのですから、それを会計監査で暴くのは
相当難しかったと思います。こんな会社はそうあるものではありません。
ですから、日本ではオリンパスや大王製紙のように経理の不正はあってもそれが
もとで破たんや倒産にいたるまでの大事になることはほとんどありません。
一方欧米では、日常茶飯事不正は行われているようなので、大きな不正発覚で
エンロンのように破たんになることも結構あります。
この経理、会計監査に関しては監査報酬みても違いが分かると思います。
日本などサンプリング監査がほとんどで帳簿精査などよほどのことが無い限り
やりませんから監査料金(報酬)も安いはずです。
しかし欧米はしっかり帳簿精査したりもしますからかける時間から全然違います
から監査報酬もかなりのものになってきます。
欧米企業が悪玉で、日本企業が善玉とひとくちには言い切れませんが、人間の
精神論からして、労働を悪、罪ととらえて生き方を教えられてきた人と、労働は
美徳と教えられてきた人とでは企業人として働くにも大きな違いがあることを
知っておいた方が良いと思います。
となると、欧米の物差しで日本の企業を測るような考え方はいかがかなと思います。

1.8番あたりはなんとなく同意できますが、7番は明らかに外人の日本人に対する
やっかみでしかないと思われます。
逆に日本人が勤勉でなかったら、他に勤勉な民族はいないでしょう。
日本の一般庶民の学力は世界いちだと思います。まだアメリカや中国インドあた
りでは文盲率高いです。

日本人が危機感が薄いといわれると確かにそうかもしれないと思いますが、未知
のリスクに過剰に反応するのもどうかと思ったりもします。
えー?と思われるかもしれませんが、私の率直な意見です。

衣雲さんのこの意見は外人さんの意見かななどとおもったりもしますが、?
いかがでしょう?


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