この考え方は資産管理の上でも役に立ちます。例えば「株」が暴落相場に入り恐慌に向かった時、金や銀といった「現物」資産も一時的につれ安にはなりますが中長期的には上昇することが知られています。逆に好景気で経済成長が軌道に乗ってるとき、株は上昇基調になる反面、銀は「退屈な資産」として下落してしまうのが一般的です(近年では、半導体需要などで金は上昇するようになりましたが)。そしてこれらの値段の指標となる「現金」自身も景気に左右されてその価値が高まったり毀損したりといったことが起こります。
そんなわけで、もし皆さんが将来や老後のために資産形成を行いたいと思って株を売買しているなら、長い道のりどんな時も資産を守り抜くため常に「ベストミックス」を目指さなければいけません。衣雲の考えるベストミックスは株2:現物1:現金1です。ある人は株1:現物1:現金1というかも知れませんし、他の意見もたくさんあると思いますが、人によって投資スタンスが違うのでベストミックスも違って当然です。私の場合は株を年単位で保有する長期投資が基本で、しかも株を資産の中心に据えているので、現物と現金を足した額が持ち株と同程度になるように常にバランスをとっています。株が上昇してくると、現物や現金の割合が低下するのでその分お金を貯めたり、高すぎる株を売ったり、現物の積立を加速したりしてバランスを取ります。その内株価が下落すると、様子を見ながら有望な株を買ってバランスを取ります。…まあ、実際は凄く安いときは大きく株を買い入れるので資産構成はベストミックスから一時的に離れてしまうわけですが…
この様な意識で投資をするメリットは、下落に対して悲観しないで済むということです。下落期に入ると「よし。これでようやく株が買える」という気持ちが先に来るわけです。正直、上昇相場のときは暇で仕方ありませんが、最近はこれに加えて多少のオプション取引も始めたので「買いたくて仕方がない」という気持ちをコントロールすることもできるようになりましたし。…そんなこんなで、自分の投資スタンスに合った資産の「ベストミックス」を、ちょっとだけ意識してみることを皆様にもオススメします。