以下が具体的な不良債権額だそうです。
銀行名 不良債権額 前年比増加率
==== ===== =====
中国銀行 1309億元 30.25%
中国農業銀行 2129億元 70.33%
中国工商銀行 1795億元 44.19%
中国建設銀行 1660億元 46.66%
中国交通銀行 526億元 30.66%
日本円にして総額13兆円規模になりますが、もちろんこれが「実際の額」だと思ったら大間違いです。飽くまで表から見える明らかな不良債権をかなり手加減して試算した額です。しかも不良債権を処理する場合は融資先に付随する企業まで影響が及ぶため、不良債権額は中国の信用創造規模に比例して膨れ上がるでしょう。たとえば、中国の預金準備率はおおよそ15-20%程度なので、信用創造が5倍として不良債権額は最低5倍の64兆円にはなります。これでもかなりおとなし目の試算ですが、更に恐ろしいことに、 中共は不良債権を処理するどころか先月中国は預金準備率の引き下げで不良債権の膨張にアクセルを踏み始めているのです。
ちなみに、1992年に大蔵省が発表した日本の大手21行の不良債権額は8兆円、10年以上かけて出てきた実際の不良債権額は100-200兆円でした。まだ自由のある大蔵省ですらこのくらい隠すわけですから、中国の不良債権は少なくとも100兆円規模、恐らくは300兆円を超えると容易に想像できます。…といっても不良債権は人民元建てなので、人民元が価値を損なえば(つまりインフレになれば)チャラにできますが、その場合中共と人民元は国際的な信用を失い大国への野心は永遠に絶たれるでしょう。もし大国を目指すのならば、これから5年、10年とこの不良債権が中国経済に影を落とすことになるはずです。