下図は少し古いデータですが、2003年~2013年の日経平均株価とPERの推移を示しています。
この期間中に、日経平均のPERが一度だけ10倍を割った日があるのですが
それは↑でお示しした箇所(2008年10月27日)で、PER=9.53倍(PBR=0.87倍)でした。
因みに、2008年10月27日といえば、リーマンが破綻した約一か月半後になります。

↑
一方、昨日の時点では、日経平均PER=13.87倍(PBR=1.07倍)となっており
経験的な下値メドである13.50倍にかなり接近しています。
但し、年初来のPER最低値は、15000円を割った2月12日の12.97倍(PBR=0.99倍)でした。
以上の数値から、目先の下値はPER13.50倍=15620円。12.97倍の時=15000円。
さらに、15000円を割り込んだ場合、2月12日の安値14865円が一応メドになりそうです。
また、私の日記にコメントを頂いた「思惑さん」のご意見を拝借すると
ノックイン条項付きの日経リンク債(ノックイン価格14000円~15000円)が増加しており
日経平均は必ず14000円を割る局面があるという見方もあります。
(ノックイン債の仕組み=日本証券業協会)
http://www.jsda.or.jp/sonaeru/risk/toushin/
因みに、ノックイン債が市場に出回るという現象は
リーマンショックが起こったおよそ一年前に類似しているため、少々不気味です。
(2007年11月22日のロイター記事)
http://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-29015620071122
この記事から推察すると、年初から株価が乱高下している原因として
ノックイン債が関わっている可能性も否定出来ません。
*昨年11月に販売された
ノックイン価格14909円(年利率4.2%、満期1年半)のノックイン債は
今年2月12日の日経平均がノックイン価格を下回ったため
その時点で、当初の契約内容(投資家は損失を被る)に基づく金額で償還された筈です。
では14000円が底値かといえば、そうとも言い切れません。
万一、2008年10月27日のPER=9.53倍が再現されれば、日経平均はおよそ11000円になります。
無論、これは机上の空論に過ぎないかも知れませんし
現在の相場環境と、サブプライムショック時を直接比較することも出来ませんが
株価は経済だけでなく、政治にも左右されるということを再認識して置くべきだと思います。
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そこで国際社会に目を向けると
当時と大きく異なるのは、米国の弱体化と中国の台頭という構図ではないでしょうか。
例えば
中国の台頭により、世界の国々は米国に付くか、中国に付くかという時代なった
(米・英関係より中英・関係の方が濃くなりつつある・・・など)
イラク戦争の頃から、米国とEUの関係が悪化に向かっている
(ドイツでさえ、米国より中国を重視し始めている)
原油を通じ良好な関係にあった米国とサウジが、現在は対立関係に
(北米のシェールガス開発が対立の発端でしょう)
こうした状況を生み出した原因は「米国の横暴」ともとれますが
違う意味で「中国も横暴」な側面を有しています。
しかし日本は、日中関係はおろか、日米関係もギクシャクした状態が続き
このままでは、東京株式市場も含め
何れ世界から取り残されてしまうのではないかと危惧しています。
因みに、私達投資家は、日頃から金融市場にばかり目が向いてしまい
株価にも重大な影響を及ぼす「政治・経済」の、政治の部分を見落としている様に思えます。
勿論私もその一人ですが、ヘッジファンドが中国のバブル崩壊危機を大義名分とし
昨年来、株式市場で何度も暴れ回っていますが
経済面だけでなく、政治的な側面も併せて考えると
そんな行為にも、幾ばくかの正当性がある様な気がします。
G20まであと2日。3月相場の行方は一体どうなるのでしょうか???( ˘•ω•˘ ).。oஇ